2026年調剤報酬改定。

新しい点数ができたと聞くと、現場の薬剤師はこう思います。

「……これ、使い道あるな?」

今回はこれ。

複数名薬剤管理指導訪問料(300点)

行動面での運動興奮がある患者や、高度な薬学管理が必要な患者に対し、薬剤師が複数名で訪問した場合に算定できるという新設点数。

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この文言を読んだ瞬間、

頭の中に電球がピコーンと灯った人、正直に手を挙げてほしい。

いいこと思いついた(笑)

在宅訪問。

行動に問題がある患者。

暴言、興奮、場合によっては暴れる。

正直言って、

女性薬剤師ひとりで行かせるの、怖くない?

ありますよね。

というか、現場では普通にある話です。

そこでひらめく。

「あれ?
複数名で訪問していいならさ……
ボディーガード役、同行させればよくない?」

そう。

  • 薬剤師免許は持っている

  • 体力自慢

  • 威圧感あり

  • 脳みそまで筋肉でできている(※個人の感想)

武闘派薬剤師

エリアに1人配置しておいて、在宅でヤバそうな案件のときに投入。

女性薬剤師の安全も守れるし、複数名訪問だから300点も取れる。

完璧じゃない?

・・・と、一瞬思う。

……で、ここからが現実です

このアイデア、現場感としてはめちゃくちゃ共感されるんですが、制度の世界に持ち込んだ瞬間、音を立てて崩れます。

理由はシンプル。

この点数が評価しているのは、

❌ 力
❌ 威圧感
❌ ボディーガード性能

ではなく、

高度な薬学管理
薬学的介入の困難性
複数名でなければ成立しない薬学的関与

だからです。

一発アウトな説明集(※笑えない)

もし個別指導で、こんな説明をしたら終了です。

  • 「安全確保のために力要員を同行させました」

  • 「暴れる可能性があるので、体力のある薬剤師を」

  • 「薬学的なことは特に期待していません」

👉
この瞬間、300点は幻になります。

じゃあ、武闘派薬剤師は使えないのか?

結論から言うと、

存在はOK、理由はNG。

ここがややこしい。

ダメな考え方

「強いから連れて行く」

通る考え方

「行動面リスクが高く、
薬学的評価・服薬支援・安全確保を同時並行で行う必要があり、
単独訪問では薬学管理が成立しなかった」

つまり、

人を増やした理由は
患者の困難性であって、
薬剤師の属性ではない

これが唯一の正解ルートです。

新人同行も同じ地雷

ここでよくある“第2のひらめき”。

「新人には難しいケースだから、
ベテランが同行したら算定できるのでは?」

これも、一瞬それっぽく見えて完全アウト

  • 新人だから

  • 教育のため

  • OJTを兼ねて

このワードが1つでも混ざったら、それはもう制度の私物化です。

危険ラインとセーフライン(まとめ)

 

❌ 危険ライン

  • 新人研修目的

  • 念のため同行

  • 力要員

  • ボディーガード

  • 薬局都合の恒常的複数名訪問

 

⭕ セーフライン

  • 行動面での運動興奮

  • 指示理解困難

  • 服薬拒否・介助困難

  • 単独訪問では薬学管理が成立しない

  • 薬学的役割分担が必要

この違い、紙一重だけど天地の差です。

まとめ:いいこと思いついた(笑)は、だいたい危ない

今回の新設点数、うまく使えば現場の安全も守れるし、本当に大変な患者に資源を回せます。

でも、

「これ使えるんじゃね?」

「これ算定して大丈夫?」

は、まったく別物。

この点数は、

筋肉を評価する点数ではない
薬剤師複数名を出さないと成立しない薬学管理を評価する点数

笑い話として思いつくくらいが、実はちょうどいい距離感かもしれません。


いいこと思いついた(笑)
と思ったときほど、
一度立ち止まる。

在宅訪問も、点数も、
事故ると取り返しがつきませんから。

(※武闘派薬剤師の皆さん、ネタにしてすみません。
記録上は、ちゃんと高度な薬学管理を担ってください。)