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薬剤師は稼げない?それでも“健康観が鍛えられる”のはデカい

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今回は薬剤師という仕事が、人生をやたら現実的にしてくる話

SNSを開くと、今日も今日とて流れてくる。

「薬剤師、稼げない」

「学費1,000万コース」

「MRで年収1000万? 薬学部行く必要ないやつね」

うん、わかる。

数字や現実だけ見たら、たしかに夢はあんまりない。

というか、電卓叩いた瞬間に、現実が正面から殴ってくる。バシッて。

それでも、だ。

それでも薬剤師になって良かったな、と思う瞬間がある。

年収表にも、進路ガイドにも、

どこにも載っていないタイプの“リターン”

が、こっそり転がっている。

今日は、その話をする。

キラキラ路線じゃない。

どっちかというと、人生にツッコミを入れる路線だ。

お金の話より先に、体の話が頭に浮かぶようになる

人間にとって一番大事なものは何か。

金?愛?夢?自由?

……いや、まず体だろ、って思うようになったのは、薬剤師になって何年経ったか分からなくなってから(笑)だ。

処方箋を見る。

年齢と病名が並ぶ。

「あれ、これ、自分と同い年じゃん」

「なのに、もう血圧と糖尿とコレステロールの三点セットか……」

その瞬間、

年収とか、ボーナスとか、資産形成とか、

そういう話が一気に遠のく。

だって、体が動かなかったら、その“お金を使う人生”そのものが成立しないんだもの。

薬局のカウンターは、健康というものが、「大事ですね〜」じゃなくて、

「失ったらマジで詰むやつ」

だと教えてくる場所だ。

マイナンバーで見える生活の気配

最近はマイナンバーカードで資格確認。

画面にいろんな情報が出る。

いや、先に言っとく。

年収がドーン!って表示されるわけじゃない。

そんな機能あったら、たぶんニュースになる。

でも、自己負担限度額とか、どの保険組合とか、番号とかを見ていると、なんとなく、生活の“輪郭”みたいなものが浮かぶことがある。

あ、大企業ね。

あ、中小企業の社長さんか幹部クラスかな?

(あくまでも推測やイメージ)

そこに、患者さんの話が重なる。

「現場仕事で、もう腰がボロボロでさ」

「夜勤ばっかりで、飯も適当なんだよね」

「納期、納期でうなされる・・・」

ああ、なるほど。

この体で、この働き方で、この生活で、この病気と付き合ってるのか、と。

その瞬間、心の中でつぶやく。

「それ、コスパ合ってるか……?」

って。

あくまでも個人の意見です

もちろん、本人には言わない。

言ったら空気が一瞬で氷点下になる未来が見えるから。

面分業の薬局は“人生の寄せ鍋”みたいな場所

面分業の薬局って、すごい。

内科も来る。

整形も来る。

皮膚科も精神科も来る。

結果どうなるか。

一人の患者さんの様子が色々と見えてくる。

添付文書やインタビューフォームで、くすりのリスクはわかるのだが・・・。

でも現場で見えてくるのは、もっとふわっとしたやつだ。

薬 × 薬

年齢 × 生活習慣

体調 × 仕事環境

これらが重なったときに出てくる、「なんか嫌な予感するな……」っていう空気。

診断じゃない。断定でもない。ただの“気配”。

この仕事、理屈と一緒に、勘も鍛えられていく職業だと思う。

副作用やポリファーマシーの話になると、言葉がめちゃくちゃ慎重になる

たとえば、胃薬のPPI。

長く飲むと、骨のリスクがどうのこうの、って話がある。

でも、だからといって、「この薬、危険です!」なんて言えない。

だって、この薬があるから、逆流性食道炎を防げて、普通の生活ができている人も山ほどいる。

一方、飲まなくてもいい状態になっているがやめるタイミングを逃して飲み続けて、やめられない体になっちゃったんじゃないかと思う人もいる。

だから、薬局の現場でよく出てくる言葉は、だいたいこれだ。

「これ、今も必要かどうか、次の診察で一回聞いてみてください」

便利な言葉だ。角が立たない。不安も煽らない。

でも、ちゃんと“考える種”は残す。

でも、個人的につながりがあるわけではないからできることが限られてくる。

自分の体なら、一つ薬を服用するだけでも、想定される副作用や出口戦略を考えて服用し始めることができる。

健康が“資産”だと気づかされた本の話

こういう話をしていると、

「それ、誰かがもう本にしてるんじゃないの?」

って思うかもしれない。

実際、している。しかも、世界レベルで売れている。

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』という本だ。

この本が言っていることの一部を、めちゃくちゃ雑に要約すると、

「年収や肩書きより、この体とこの人生で、あと何年ちゃんと戦えるかの方が大事じゃない?」

だいたい、そんな感じの話である。(ちがってたらすいません・・・)

この記事を書きながら、「あ、これ、だいぶ同じ方向向いてるな」と思った。

気になる人は、ここから覗いてみてほしい。たぶん、この記事の“親玉”みたいな思想が詰まっている。

 

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他人の体より、自分の体が一番気になり出す

この記事で言いたいのは、

「患者さんにリスクを教えよう!」って話じゃない。

むしろ逆だ。

この仕事をしていると、一番うるさく管理するようになるのが、自分の体になる。

もし自分が薬を飲む立場になったら、こう考えるようになる。

この薬、何のために飲んでる?いつまで飲む?やめどき、どこ?

昔なら、

「出されたから飲む」「とりあえず続ける」

はい、思考終了。

今は違う。

頭の中で、勝手に“余計な会議”が始まる。

副作用の説明書を読んで、「うわ、こんなの書いてあるじゃん」と一瞬ビビって、次の瞬間には、「まあ、これはそこまで気にしなくていいやつだな」みたいな、謎の仕分け作業が始まる。

要するに、薬を“飲まされている感じ”じゃなくて、“付き合っている感じ”になる。

友達の薬を見て、余計なことがわかってしまう病

知り合いや友達が、何気なく薬を出してきたとき。

「あ、これ飲んでるんだ」って、つい目が行く。

で、頭の中では勝手に始まる。

これ、たぶんこの病気だな。この組み合わせだと、生活リズム、わりと荒れてそうだな。

……はい、余計なお世話モード突入。

もちろん、本人には言わない。絶対に言わない。

空気が一瞬で凍る未来が、簡単に想像できるから。

でも、かる~く飲んでて〇〇な感じない?と効果や副作用のチェックをいれてさりげなく注意を促すようなことはする。

でも、その瞬間にふと思う。

ああ、これ、自分が薬剤師だから見えてる景色なんだなって。

普通の人は、薬を見ても、「ふーん、薬だ」くらいで終わる。

こっちは、薬を見て、その人の体調とか、生活のクセとか、人生の一部まで、うっすら透けて見える気がしてしまう。

この感覚に気づいたとき、たぶん一番強く思う。

ああ、自分、ちゃんと“この仕事の中の人”になったんだな。

若い人には、たぶんまだ伝わらない話

 

この記事を読んでいる若い人には、正直、健康の大切さは、まだピンと来ないと思う。

自分も、若い頃はまったく来てなかった。

来てなかったというか、来るわけがなかった。

体、元気すぎるから。

だからころ、何言ってんだ?と思ったあなたは、余計なお世話ですがちゃんと聞いてほしい。

なので、ちょっとだけ想像してみてほしい。

ある日から、今まで当たり前にできていたことが、ちょっとだけ不自由になったらどうなるか。

薬が欠かせなく、旅行前には常備薬の準備。

災害が起きて薬が手に入らなくなったら死に直結する。

日常とかでも、ペットボトルのフタが固い。

スマホを長く持っていると、なんかしんどい。

……この時点で、もうテンションだだ下がりだと思う。

たぶん、心の中でこうつぶやく。

「人生、なんで急にハードモードなんだ」

それが、健康が“欠ける”という状態だ。

結局いちばん強い資産は、体だった

進路の話になると、だいたいこうなる。

「学費いくら?」
「初任給いくら?」
「高年収になる確率どれくらい?」

大事。めちゃくちゃ大事。

現実は、だいたい数字で殴ってくる。

でも、薬剤師という仕事をしていると、もう一つ、よくわからない“リターン”がある。

それが、健康に対する“感度”が異常に上がること。

街を歩いていても、この人、膝やってそうだな、とか、この生活、胃に悪そうだな、とか、余計なことが目に入るようになる。

完全に職業病だ。たぶん一生治らない。

でも、こうして思う。

健康って、光らない。自慢できない。

SNSにも映えない。

だけど、失った瞬間に、人生の難易度を一気にハードモードにする。

薬剤師という仕事の良さは、誰かの健康を支えながら、いつの間にか、自分の人生設計まで、やたら現実的にしてくるところにある。

年収表には載らない。

進路ガイドにも書いてない。

でも、長い目で見たら、これ、たぶん、かなりデカいリターンだと思っている。