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はじめに
子どものころ、転んで膝をすりむくと、親に赤い液を塗られて泣いた思い出、ありませんか?
ガーゼが黄色くてちょっと怖かったあの記憶も…実は全部「色つき消毒薬」のお話。
でも今、薬局で主流なのは“無色透明”。
「効き目がないんじゃないの?」と不安なあなたに、
消毒薬の“色”の意味と、今どきの選び方をやさしく解説します!
登録販売者用テキストの、消毒薬のページってこんな感じじゃね?
◆ 外用消毒薬の比較表
項目/製剤名 | 赤チン<br>(マーキュロクロム) | ヨウチン<br>(ヨードチンキ) | ポピドンヨード<br>(イソジン等) | リバノール<br>(アクリノール) | 塩化ベンザルコニウム | グルコン酸クロルヘキシジン |
---|---|---|---|---|---|---|
分類 | 有機水銀系 | ヨウ素系 | ヨウ素・ポリビニルピロリドン複合体 | アクリジン系色素 | 第4級アンモニウム塩 | ビグアニド系 |
主成分 | マーキュロクロム | ヨウ素+KI+エタノール | ポピドンヨード | アクリノール | ベンザルコニウム塩化物 | クロルヘキシジン |
作用機序 | 酵素中のSH基と結合→阻害 | 酸化作用でタンパク変性 | 徐放性酸化で殺菌 | 呼吸酵素阻害 | 界面活性により膜障害 | 細胞膜障害+内容物漏出 |
抗菌スペクトル | G+菌中心 | 広範(G+ / G– / 真菌 / ウイルス) | 同上 | G+菌と嫌気性菌中心 | 主にG+菌、G–菌には弱い | G+ / G– / 真菌 / 一部ウイルス |
即効性 | 中程度 | 高い(数十秒) | 高い(数十秒) | やや遅め | 高い(即効) | 高い+持続性あり |
持続性 | 長い | 短め | 中〜長め | 中程度 | 短い | 長い |
刺激性 | 弱い | 強い | 中程度 | 弱い | 弱い | 濃度によりあり(高濃度は刺激あり) |
有機物下での効果 | 低下しやすい | 低下しやすい | 維持されやすい | 維持される | 低下しやすい | 中程度に維持 |
粘膜使用 | × | × | ○(うがい可) | ○(注意) | ○(洗眼・うがい用あり) | ○(濃度制限) |
眼への使用 | × | × | 基本× | × | 洗眼可製剤あり | ×(失明例あり) |
副作用・注意点 | 水銀毒性・発がん性懸念 | アレルギー・甲状腺影響 | ヨウ素アレルギー | 着色性 | ノロ無効・効果減弱 | アナフィラキシー・眼毒性 |
現在の使用状況 | 製造終了 | 一部継続 | 医療・OTC両用 | 医療・OTC両用 | 市販薬多数 | 医療現場で広く使用 |
備考 | 昭和の常備薬 | 強力・即効型 | 粘膜にも使用できるマイルド型 | しみにくく化膿に適す | 日常の軽消毒に多い | 術前消毒・うがい薬等幅広く使用 |
注釈:
G+菌:グラム陽性菌(例:黄色ブドウ球菌など)
G–菌:グラム陰性菌(例:大腸菌など)
有機物下での効果:血液・膿などがある状況で殺菌力が持続するか
なぜ昔の消毒薬は色がついていたのか?

視認性のため:どこに塗ったかひと目でわかるように
効いてる感の演出:色がつく=強そうというイメージ戦略
でも現代では…?:着色・刺激性・服の汚れが嫌われ、徐々に無色へシフト
赤い消毒薬:赤チン(マーキュロクロム)
かつての家庭の定番。水銀入りでしみにくく、子どもにも人気でした。
でも、有機水銀=環境&人体への影響が問題に。
2020年、水銀規制(「水俣条約」)により製造終了。
今、使ってたらダメです。完全に“過去の薬”。

茶色の消毒薬:ヨウチン(ヨードチンキ)
消毒力は最強クラス。酸化作用でウイルスも真菌も撃退。
でも、しみる・くさい・着色する・粘膜NGと、今どきの価値観と合わない。
今はほとんど姿を消し、イソジンなどのポピドンヨード系が主流に。
黄色の消毒薬:リバノール(アクリノール)
やさしい系消毒薬。刺激が少なく、しみにくい。
血や膿があっても効き目が落ちにくいから、化膿性創傷に重宝。
今でも医療現場で「ガーゼ湿布」として現役!
※ここで補足:
「湿布」と言っても、肩こり用のあれではありません!
医療で言う「湿布」は、「薬液をしみこませたガーゼや布を患部に貼る処置法」。
リバノールはこの“湿布療法”の定番です。
でも今どきは“色なし”がわりと主流です

ポピドンヨード(イソジン系)
色は茶色。でもすぐ洗えるし、粘膜にも使えるやさしい消毒薬。
殺菌力は◎、風邪予防のうがい薬でもおなじみ!
グルコン酸クロルヘキシジン
無色透明。しみにくく、手術前消毒にも使われる安心設計。
傷口、粘膜、口内の洗浄など幅広く対応。
医療現場でも信頼される消毒成分!
塩化ベンザルコニウム
実は医療現場や日常生活でも多く使用されている消毒薬の一つで、逆性石鹸とも呼ばれています。
塩化ベンゼトニウム
塩化ベンザルコニウムと同じく殺菌作用があり、逆性石鹸として殺菌・消毒用に用いられる。
【まとめ:色で選ぶ時代は終わった?】
色 | 消毒薬名 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
赤 | 赤チン | しみにくい | 製造終了・水銀 |
茶 | ヨウチン | 超強力殺菌 | しみる・粘膜NG |
黄 | リバノール | やさしく化膿に効く | 着色あり・抗菌力は控えめ |
無色透明 | クロルヘキシジンなど | 刺激少なめ・幅広く使える | 一部ウイルスには非対応も |
茶(洗える) | ポピドンヨード | 粘膜OK・殺菌広範囲 | ヨウ素アレルギー注意 |
【登録販売者さんへ】
「赤い薬、まだ売ってますか?」と聞かれたら、ぜひ時代背景も含めてご案内を。
お子さまや高齢者には、色がつかずしみにくい製品をおすすめするのが今の定番です。
🟥 赤チン(マーキュロクロム)の雑学
名前の由来は?
→ 「赤いチンキ(tincture)」=赤チンクチャーの略。チンキはアルコール製剤の意味です。実は水銀入り!
→ 成分は有機水銀(マーキュリー)系。しみにくいけど毒性があり、環境・健康問題で使用終了。アメリカでは早くから非承認
→ FDAが認可しなかったため、日本ローカルな常備薬として独自の人気がありました。“しみない”のは殺菌力がゆるかったから
→ ヨウチンより優しめ、でも殺菌力はやや弱め。2020年、水銀規制でついに製造終了
→ いま残っているものも、使用はNGです!
🟤 ヨウチン(ヨードチンキ)の雑学
“チンキ”とは?
→ アルコールに成分を溶かした製剤のこと。ヨウ素+ヨウ化カリウム+エタノールが基本成分。殺菌スペクトルは最強クラス
→ 菌・真菌・ウイルスに加え、結核菌にも効く。まさに“消毒の核兵器”。粘膜NGなのに口内炎に!?
→ 昭和の家庭では平気で使われていましたが、現在は推奨されません。石鹸と一緒に使うと効果が落ちる
→ 界面活性剤と反応して失活。しっかり洗い流してから使うのが鉄則です。ポピドンヨードとの違いは即効性と刺激性
→ ヨウチンは即効・しみる、ポピドンヨードはマイルド・持続性あり。
🟡 リバノール(アクリノール)の雑学
名前の由来はドイツの商標
→ Rivanol はバイエル社の商品名で、日本では「アクリノール」として知られています。黄色いのは成分そのもの
→ 色素じゃなく、薬品自体が黄色のアクリジン色素系。だからガーゼも真っ黄色。化膿に強い!
→ 膿や血があっても効き目が落ちにくく、やさしい殺菌薬として医療現場でも使用中。抗生物質登場前のエースだった
→ 1920年代には外科用殺菌薬の主役。今でも皮膚科・小児科などで使われています。服についたら一生モノ
→ 洗濯では落ちません。使用時は捨ててもいいタオルか古着で。
このような商品がないか売り場をチェック!!
さいごに
見た目の「色」に惑わされない選び方、それが今の賢い消毒薬の使い方です。
“効いてる感”じゃなくて、“本当に効くもの”を選びましょう。
でも、売り場では【色】や赤チンとかって聞かれるので、知っておくことも必要です。