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眠くならないからって、かゆみにアレグラ出してない? ──その市販薬、適応ありますか?】

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アレグラFXを販売してクレーム!?

「眠くならない、かゆみ止めってありますか?」

日々の売り場でよく聞かれるこの質問。

「じゃあアレグラFXにしておきましょうか。眠くならないし、アレルギーに効くから」と答えているあなた──

一旦、立ち止まって。

それ、“効きそう”だけで出してませんか?

アレグラFXも、アレジオン20も、クラリチンEXも、たしかに医療用では蕁麻疹などの皮膚疾患に使われます。

でも市販薬では「皮膚のかゆみ」は効能に入っていないんです。

というわけで今回は、

「効く=使っていい」じゃないよ、という話を、

登録販売者・OTC初心者薬剤師向けにゆるく、でも真面目にまとめていきます。

第1章|アレグラ、かゆみに使ってOKだっけ?→いや、市販薬ではNGです

まず結論から言います。

アレグラFX(フェキソフェナジン)、アレジオン20(エピナスチン)、クラリチンEX(ロラタジン)──

これらOTC医薬品には、「皮膚のかゆみ」って書いてありません。

「え、でも病院じゃアレグラで蕁麻疹出すし…」というのは正しい。

でもそれは医療用医薬品の話。

市販薬は別物なんです。

市販薬は「承認された効能・効果の範囲」でしか使っちゃいけない。

つまり、「効能に書いてないなら、使っちゃダメ」というお約束。

第2章|ありがちミス:効能≠効果の混同

「眠くならないし、アレルギーに効く=かゆみにも効くはず」

→ いや、効くことは否定しません。実際、効くことはあります。

でも、OTCでそれを理由に案内したらアウトなんです。

なぜなら…

  • 効くかどうかは関係なく、「その使い方が認められてるか」で判断するのが薬機法のルール

  • 「皮膚のかゆみ」に使っていいとは一言も書いてない薬を、そう言って販売したら
     → 虚偽・誇大広告に該当する恐れアリ。指導対象になります。

第3章|やりがちなNG案内、チェックしてみよう

こんなふうに案内してませんか?

  • 「皮膚科でアレグラ出されたって言ってたんで、同じ成分のこれを」

  • 「軽いアレルギー反応なら、まずは眠くならないタイプで様子見ましょう」

  • 「鼻炎用って書いてますけど、かゆみにも良かったって方多いですよ」

→ はい、全部アウトです。

店頭でこの案内をして、実際にクレームになった事例もあります。

第4章|じゃあ何ならOKなの?かゆみに使える市販薬まとめ

製品名主成分効能に「かゆみ」ありコメント
レスタミンコーワ錠クロルフェニラミン定番。眠くなるけど安心設計
アレルギール錠d-クロルフェニラミンちょっとマイルド。ビタミンもIN
ジンマート錠メキタジン眠気少なめ。ビタミン付き
ムヒAZ錠アゼラスチン塩酸塩第2世代で効き目長め

→ これらは、ちゃんと「皮膚のかゆみ」と書かれているので安心して案内OK!

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第5章|まとめ:使っていい薬かどうか、効能で見極めよう

  • OTC販売では「効きそう」じゃなくて「効能に書いてあるか」が全て

  • 医療用で出されてたから…はNG。市販薬は市販薬でルールが違う

  • 登録販売者・薬剤師として「使っていいか」を一度立ち止まって確認しよう

最後にひと言

アレグラやアレジオン、確かに優秀な薬です。

でも、それを市販薬のルールを飛び越えて案内するのは、思いやりではなくリスク

お客さんに安心して使ってもらうためにも、効能ベースの知識、今こそ再確認しておきましょう。