調剤薬局

ジェネリックへの変更ルールと、基礎的医薬品、局方品

調剤薬局の仕事

こちらはいち薬剤師の見解であり、正式なものではありませんので
不明点などは薬剤師会に問い合わせる等していただき、確実性を担保して
いただきたいと思います。また、この記事が原因で発生したいかなる事象にも一切責任は負いかねるとともに、不備などを発見した場合は、お知らせいただけるとありがたいです。

はじめに

このページにたどり着いたあなたは、間違いなく調剤薬局関係ですね。

この記事で分かること
これを見れば、調剤薬局における変更調剤はすべて把握できます。
また、陥りやすいポイントを例を用いて解説しています。
ヒマな時にぜひご一読ください。

基礎的医薬品や局方品だけ知りたい人は、最後の「おさらい」だけ見ればわかります。

調剤での変更調剤には様々なルールがあり、調剤薬局で実務をこなしていれば95%は頭に入っていると思います。

でも、その残りの5%が結構やっかい者です。

そのやっかい者が、こいつらです。

  • 基礎的医薬品
  • 局方品

ここでは、通常の変更調剤から、基礎的医薬品、局方品の変更調剤について詳しく説明します。

まずは、基本の確認

変更調剤の約95%を占める先発品から変更調剤です。

後発品への切り替えと、一般名処方     

解説

変更調剤の基本的ルール

処方医より「変更不可」の指示がない処方箋

薬局では、患者に対してジェネリック医薬品に関する説明をし、同意を得ること等を前提条件に、処方箋に記載された医薬品を疑義照会なしで、ジェネリック医薬品へ変更して調剤することが可能です。

その後登場した一般名処方においても、剤形変更や規格変更に様々なルールがあります。

そのルールを知らずに変更してしまうと、場合によっては調剤過誤に該当するのでしっかりとルールを熟知したうえで調剤を行う必要があります。

変更調剤ルール

変更調剤のルールに関しては沢井製薬さんのHPを参照して図にまとめました。

また、

  • 処方箋が先発名記載の時
  • 処方箋が一般名処方の時

とではルールが異なりますので併せてまとめてあります。

以下の表にすべてが集約されているので、レセコンの横に貼付することをお勧めします。
(クリックできれいに表示されます。)

Excel版もリンクがありますのでどうぞ。

ジェネリック 変更ルール

ジェネリック変更ルール エクセル版


この引用より、上記の表を作成しました。読まなくても大丈夫。



後発品変更調剤について
(沢井製薬 SKIMこの薬剤は変更できるの?
(解説)より参考引用)
【前提条件】
「保険医署名」欄に著名(記名・押印)のない処方箋であること
製品名の前の「変更不可」欄に、「×」「」の記載がない処方箋であること
患者の同意が得られていること
疑義照会(処方医の指示確認)をしないこと
「後発医薬品」とは「加算等の算定対象となる後発品」ではなく、「薬機法によって製造販売承認されたもの」プロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)に基づき、変更調剤の対象範囲を拡大している医療機関ではないこと

【共通ルール】内服薬と外用薬でルールが異なりますが、まず共通すること
同一規格・同一剤形の後発医薬品(基礎的医薬品等を含む)への変更調剤は 可
後発医薬品以外(先発医薬品、その他医薬品 等)への変更調剤は 否
一般名処方された医薬品は、後発医薬品以外の調剤についても 可
【内服薬 変更前の薬剤料を超えない場合に限り】
「類似する別剤形の後発医薬品」への変更調剤は 可
「含量規格が異なる後発医薬品」への変更調剤は 可
「類似する別剤形の後発医薬品」かつ「含量規格が異なる後発医薬品」への変更調剤は 可
一般名処方された医薬品であっても、後発医薬品を調剤する場合に限り、「類似する別剤形の医薬品」及び「含量規格が異なる医薬品」への調剤は 可
【内服薬 調剤料に関わらず】「類似しない別剤形の後発医薬品」への変更調剤は 否 【内服剤以外】「別剤形の後発医薬品」への変更調剤は 否
「含量規格が異なる後発医薬品」への変更調剤 可

<参考>
沢井製薬 後発品への変更調剤

日本ジェネリック製薬協会>変更調剤  

基礎的医薬品の変更調剤について

続いて、忘れがちな基礎的医薬品です。
注意

公式のソース

これも、読みたい人だけ読めば大丈夫

厚労省 基礎的医薬品リストはこちら

基礎的医薬品とは

基礎的医薬品は、平成28年度薬価制度改革から試行的に導入された制度で、保険医療上の必要性が高く、医療現場において長期間にわたり広く使用されて有効性・安全性が確立されている医薬品であって、継続的な市場への安定供給を確保する必要があることから薬価上の措置が行われた医薬品群です。

導入経緯

日本の薬価基準制度は、原則2年に1度の薬価改定により価格を改める(引き下げる)仕組みが取り入れられています。この仕組みは、市場競争を価格に反映することができるので、国民負担の軽減の観点から適切な制度として運用されています。

しかし、度重なる薬価改定を経た医薬品の中には、薬価が引き下がり過ぎて不採算に陥る品目も発生して来ます。その為、薬価を下支えする仕組みとして最低薬価と不採算品再算定という制度が設けられていますが、不採算品再算定を受けた品目の中には、この再算定の適用を繰り返し受ける品目が多数含まれるという状況にもなっていました。不採算品となれば製造中止という選択肢もありますが、医療現場から継続供給の要望のある臨床上不可欠な医薬品や、古くても今もなお治療の最前線で投与されている医薬品もあり、製薬企業の継続した安定供給を行う使命から製造中止が出来ない状況ともなっていました。

そこで、不採算品再算定、最低薬価になる前の薬価を下支えする制度として位置付け、その明確な対象要件を設けた上で、平成28年度薬価制度改革で試行的に導入された制度が『基礎的医薬品』になります。
日本ジェネリック製薬協会>変更調剤  

この長い文章をざっくり要約します

基礎的医薬品は臨床上の必要性が高く安定供給が求められます。

一方で、薬価改定により薬価が下落することでメーカーが採算割れで撤退してしまう可能性があります。

そのような品目については、生かさず殺さず安定供給ができる程度の薬価に維持しますので、生産を止めないでねという制度です。

そして、その趣旨から考えれば、基礎低医薬品はすべてジェネリックと同じ扱いにして薬価もそろえてしまえばわかりやすいのです。

しかし、なぜかそこには見えない謎の変更ルールが存在します。

その謎ルールを知らずに変更してしまうと違反となってしまい、場合によっては調剤過誤と言われる可能性もあります。

もしかしたら個別指導で指摘されるかもしれません。

 

基礎的医薬品には独特の変更ルールがある

ここでは、基礎的医薬品に収載されている有名な医薬品を例に解説いたします。

まずは、その変更ルールについてです。

H28 疑義解釈資料 その7より抜粋
【後発医薬品への変更調剤】

(問1)処方せんにおいて変更不可とされていない処方薬については、
後発医薬品への変更調剤は認められているが、
基礎的医薬品への変更調剤は行うことができるか。

(答)基礎的医薬品であって、平成28年3月31日まで変更調剤が認められていたもの
(「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等)については、
従来と同様に変更調剤を行うことができる。なお、その際にも「処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について」(平成24年3月5日付け保医発0305第12号)に引き続き留意すること。

H28 疑義解釈資料

さすが厚労省公式サイト。
何とも分かりにくいな
つまりは次の通りです。

基礎的医薬品は、先発医薬品でも後発医薬品でもありません。

かつての先発医薬品や後発医薬品の一部が基礎的医薬品になりました。

基礎的医薬品になっても、変更調剤のルールは基礎的医薬品になる前のルールに従わなければならないということです。

基礎的医薬品の変更調剤は、今までの主従関係に注意せよ

以下
厚労省 基礎的医薬品リスト

からの抜粋です。

まずは、メイアクト錠を例に説明します。

品名 各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報
セフジトレン ピボキシル100mg細粒
セフジトレンピボキシル小児用細粒10%「CH」
メイアクトMS小児用細粒10%
セフジトレンピボキシル小児用細粒10%「OK」
セフジトレン ピボキシル100mg錠
メイアクトMS錠100mg
セフジトレンピボキシル錠100mg「CH」
メイアクトは基礎的医薬品に収載されたため、先発でも後発でもなくなりました。
表の右側が空欄だから、先発でも後発でもないってことか

そのため、セフジトレピボキシルからメイアクトへ変更できそうですが、これは不可です。

メイアクトは後発になったわけではなく、先発でも後発でもなくなっただけです。

今までの主従関係が残っているのです。

変更調剤では今までのルールは生きているので、メイアクトからセフジトレンへの変更のみ許されます。

メイアクト(主) セフジトレン(従)という主従関係は変わりません。

先発でも後発でもなくなったから、同じセフジトレンでも、
セフジトレン「CH」からセフジトレン「OK」へは変更できないという感じもしますが、これはどちらも(従)なので今まで通り変更できます。

 

続いてリンデロンVG軟膏です。

品名 各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報
ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏
デルモゾールG軟膏
リンデロン-VG軟膏0.12%
デキサンVG軟膏0.12%
メイアクトと同様のことがリンデロンVG軟膏にも発生しています。

リンデロンVG(主)からデルモゾール(従)へは変更できるが、逆はできません。

局方品の変更調剤はどうなるのか?

同じようにリストを見ると、局方品も存在します。

厚労省 基礎的医薬品リスト

局方品も、後発、先発でもない基礎的医薬品なのでしょうか?
答えは、局方品という別のカテゴリーです。

そのため、ここにあるものは相互に変更することはできません。

変更には疑義照会が必要です。

なぜ、局方品はメーカー名まで指定された処方なのだろうか?

プロペトから白色ワセリンへの変更はさすがにNGな感じがしますが、
それ以外においては、おそらく病院のレセコンがこの表示しか出ないから
メーカー名まで入った処方になっていると思われます。

ドクターは、どうしても「ホエイ」じゃなきゃ
とか考えていません。

疑義照会で変更を依頼してNGということは
いままで一度もありませんでした。

プロぺトは、どうしても【プロペト】だと思いますが、それ以外はどうでもいいと思います。

厚労省のリスト、白色ワセリンの所を抜粋すると、次のようになっています。

品名 各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報
白色軟膏
白色ワセリン
白色ワセリン「ケンエー」
白色ワセリン(三恵)
白色ワセリン(シオエ)
白色ワセリン(東洋製化)
白色ワセリン(山善)
プロペト
白色ワセリン(マイラン)
白色ワセリン「ヨシダ」
白色ワセリン「日医工」

 

一度局方品のメーカー名処方を受け付けたら、毎回疑義照会することは非常に手間となります。

あらかじめ処方医に連絡を取っておくことをお勧めします。

すなわち、
〇〇「ホエイ」等メーカー名がある場合は、他のメーカーに変更していいかFAX等で確認をして取り決めをしておくことです。

事前取り決めにより、毎回疑義照会の手間も省けます。

おさらい(ここだけ見ればわかります)

え?

医薬品には次の区分がある

  • 先発品
  • 後発品
  • 先発品でも後発品でもない基礎的医薬品
  • 局方品

 

先発品・後発品の変更調剤は、先ほどの表のとおりです。

ジェネリック 変更ルール

 

基礎的医薬品の変更調剤

  • 基礎的医薬品は、元先発の(主)から、元後発の(従)への変更はOK。
  • 基礎的医薬品は、(従)→(主)への変更はできない。
  • 基礎的医薬品は、(従)どうしは相互変更OK。
ここがあいまいだと、基礎的医薬品で銘柄処方が来たときに慌てることになります。しっかり覚えておきましょう。

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処方)メイアクト錠

薬局在庫は、セフジトレン「日医工」のみ

この場合は、何の断りもなく「日医工」に変更してOKです
逆はダメ。(日医工→メイアクトはNG)

処方)セフジトレン「CH」

薬局在庫は、セフジトレン「日医工」のみ

この場合は、何の断りもなく「日医工」に変更してOKです

 

局方品の変更調剤

名称のあとに、シオエとか、ホエイとかついていた場合
変更には疑義照会が必要。

  • 局方品はメーカー名がある場合は相互変更NG 疑義照会が必要です。

処方)白色ワセリン「ケンエー」

薬局在庫は、白色ワセリン「シオエ」

この場合は、疑義照会して「シオエ」に変更します。

この3つの例を覚えておくことで、基礎的医薬品と局方品の混乱を防ぐことが
できますので、ぜひ参考にしてください。

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