出会いが多いのは、調剤薬局とドラッグストア どっち?
現役でお仕事をしている薬剤師さんや、これから就職する薬学生さん
仕事選びの一つに、そこにいい出会いがあるかというのは、大きなポイントだと思います。
今回は、そんな疑問に率直にお答えしようと思います。
ではいってみましょう。
ここでのドラッグストアは、おもに調剤薬局を併設していないタイプを指します。
調剤を併設しているドラッグストアの場合は、ほとんど調剤室がメインとなるため、若干当てはまらないことをお許しください。
調剤薬局は、規模のちがいこそあれど、出会いの面だけに限れば大きな違いは出ないため、ひとくくりとなっています。
結論:出会いを求めるならドラッグストア
ドラッグストアが出会いにオススメな点
- いろんなスタッフがいる
- 勤務時間や休日も調整が効きやすい
ドラッグストアが有利です。
ドラッグストアがトータルでは有利という結果ですが、一概に調剤薬局はダメということではありません。
調剤薬局も場合によっては有利になることもあります。
それではくわしく見てみましょう。
ドラッグストアには色んな人がいるので出会いも多い
もし仮に、ドラッグストアで薬剤師として働くと、あなたのまわりにはどのような人がいるのでしょうか。
シミュレーションしてみましょう。
ドラッグストアのスタッフ構成
- 同年代の薬剤師:0~1人
- 一般職社員:1~3人
- 美容部員:1~2人
- パート社員:10~20人
- アルバイト:2~10人
・薬剤師社員(0~1人)
調剤をやっていない場合は、薬剤師社員は1人か、多くても2人です。
調剤の無いドラッグストアでの薬剤師の仕事の一つに、第1類医薬品の販売があります。
第1類医薬品を売るためにある程度の薬剤師数は必要なので、社員薬剤師1人以外はパート薬剤師で運営すことが多くなると思います。
・一般職社員(1~3人)
ほかに在籍する一般職社員は、店舗オペレーションが一通りできる社員(店長)となります。
薬剤師が店長の場合は、薬剤師ではない一般職社員(化粧品や、家庭雑貨担当など)の社員が配属される形となります。
大きな店の場合は、ここに新入社員が1~2名配属になることもあります。
・美容部員(1~2人)
美容部員は、当然女性です。男性もいるのかもしれないですが、見たことがありません。
店の客層によって、独身の美容部員が配属されるケースと、ベテランが配属されるケースがあります。
・パート社員(10~20人)
お店の大半を占めるのがパート社員となります。
一昔前は、パート社員=主婦というイメージでしたが、ここ最近は独身の男女も少ないですが活躍しています。
就職が難しかった氷河期世代や、夢を追いかけながら今はパートをしている人など、ひとくくりにできないくらい多種多様です。
パート薬剤師に限ると、ほぼ主婦とか、おじいさん、おばあさん薬剤師率が高い傾向にあります。
高齢になると調剤は難しいので、調剤やらずに資格を生かした仕事に就きたいということが大きな理由のようです。
・学生アルバイト(2~10人)
大学や専門学校などが近くにあると、夕方から学生アルバイトが多く入る店もあります。
ただこれも立地次第で、田舎の過疎地域ではそもそも学生がいないためほとんどアルバイトがいない店舗もあります。
大学生が多い店は、夕方から雰囲気が一気に変わります。
ドラッグストアは女子のバイト先というイメージも多いですが、夜は防犯上男子も欲しいので、意外にも男女比は半々くらいです。
あらゆるスタッフとの出会いの可能性があります
ここまでで、社員、美容部員、パート、アルバイトまで、幅広い人たちとの出会いのチャンスがあることがわかります。
番外編として、メーカーの営業さんも時々来るのですが、なぜか、こことくっつくことが意外に多い・・・
出会いに関して、ドラッグストアが調剤薬局に比べて有利なのは、男女ともに共通であることは言うまでもありません。
ドラッグストアに就職する薬剤師の傾向は?
ちなみに、ドラッグストア薬剤師社員の傾向としてどんな感じなの人が多いのか。
これは筆者の主観も入ってしまいますが、漠然としたイメージよりも手触り感の伝わる形にしたいのであえて書かせていただきます。
今まで、新入社員に「なぜドラッグストアに就職したのか」聞いたところ、このような傾向にありました。
おそらく人事担当には見せない率直な意見もあると思います。
ドラッグストア男子の傾向
- 「調剤薬局」という狭い世界に固定されたくない。
- そもそも調剤薬局は男が行く場所じゃないという風に思っている。
- 医薬品だけでなく、いろんな商品が好きで、興味の幅がひろい。
- やっぱり勉強はあんまり好きじゃない。
- 初任給に釣られる。
ドラッグストア女子の傾向
- 化粧品が好き。
- 医薬品だけでなく、いろいろな商品が好き。
- 仕事は大変そうだけど、給与がよい。
- 調剤室という狭い空間での女同士の人間関係が心配
男女とも、給与面での堅実さや、「調剤薬局」の持つ負のイメージが影響してドラッグストアを選ぶ点は共通していると思います。
ドラッグストアでの出会いにつながるイベントは何?
ドラッグストアにおいても、新人研修や、定期的に研修会などで同期社員が集まったりすることはありますが、これはどこの企業でも共通です。
ドラッグストアならではの場面にフォーカスしてみましょう。
ドラッグストアの出会いにつながる行事
出店・改装などのイベントが多い
出店:ドラッグストア業界は、成長業態です。次々と新しい店ができています。
改装:成長業態であるが故、数年に1回、時代のニーズに合わせて大規模な模様替えが行われます。
棚卸:企業にもよりますが、年に数回「棚卸」という、店舗内の在庫の数を、1日閉店するか、徹夜で全て数えるしんどい業務があります。
専門業者に委託する場合もありますが、自店のスタッフだけでひたすら数える会社もあります。
これらの、日常とはちょっと違うシチュエーションが発生すると次のようになります
それがきっかけになることが多いようです。
売り場変更・推奨販売コンテスト
- 売り場変更:季節の変わり目などは、売り場変更が行われます。
その年によって何を売るか、どういうテーマで攻めるかなどが違うため、新人社員の場合は先輩社員からアドバイスをもらいながら行うことも多いです。
- 推奨品販売コンテスト:会社によって、一押しの商品がいろいろあります。
知名度は今ひとつでも、お勧めして使用してもらえば喜ばれるはずの商品を全社員一丸となって、一定期間強化販売します。
試飲会だったり、おためしだったりしますが、そう簡単にたくさん売れるものではありません。
これも、先輩社員からアドバイスをもらって後輩が頑張るというシーンが多く見られます。
ドラッグストアでの困難を伴うイベント
これを一緒に乗り越えた達成感から、先輩と後輩で出会いにつながるケースは容易に想像できると思います。
若いうちは、夜間営業を味方につける
ほんとこればっかりデメリットとして伝えています。
転職情報サイトなんかは、
でも、若いうちは、長時間・深夜営業が圧倒的プラスになります。
ドラッグストアでの表面上の労働時間
実際の勤務状況を見てみましょう。
ネットなどでの表面上で得られる情報
通常の会社説明やインターネットの情報では、勤務は
- 9時から18時
- 15時から24時 (シフト制)
などとなっていることが多いです。
それに加えて、各社【変形労働制】を取り入れているので不規則な勤務時間となることもあります。
メリットを一切伝えていないですので、これではダメですね。
確かに土日の連休はとりにくいが、全く取れないわけではありません。
通常は社員2~3名でオペレーションを組むので、交代で休む形になります。
みな、土日に休みたいという気持ちはあるので、一人だけ毎週土日休むという希望は確かに通りません。
しかしながら、交代で休むことはできるので、社員同士調整して、月に1回程度なら土日休み取得はほとんど問題ないでしょう。
もう一つの【変形労働】ってどういうもの?
変形労働について
1箇月以内の一定の期間を平均して、1週間の労働時間が週40時間以下になっていれば、 忙しい時期の所定労働時間が1日8時間、週40時間を超えていても、時間外労働とはならないという制度です。(特例措置対象事業場 においては週44時間以下)
1箇月単位の変形労働時間は、例えば、月の初めは余裕があるが、月末締めであるため、月末の1週間が忙しい場合などに導入することが適している制度といえます。
https://www.pref.yamagata.jp/sr/roudou/houseido/hou01_03.html
(山形県商工労働部HPより)
ざっくりいうと、変形労働制は、
- 通常の週休2日での勤務
- 1日8時間前後の労働時間
- 1週間40時間勤務はそのまま
- 日ごとに出勤時間を柔軟に調整できる
変形労働は、1週間トータル40時間は同じで、日ごとの出勤時間を柔軟に変える仕組みです。
変形労働を活用する裏技編 初心者テクニック
日曜日に休みが取れなくても、13時から22時の遅番勤務であれば午前中は遊ぶことが出来ます。
そこに、変形労働を加えます。
変形労働で、17時から22時で組めば、日中は普通に遊んだ後、仕事にいくという効率的な運用ができます。
変形労働を活用する裏技編 高度テクニック
早番変形 遅番変形を組み合わせて活用する
早番変形、遅番変形を使うとこんなことができます。
夜24時まで営業している某大手だとしたら・・・
1日目 9:00~14:00
2日目 19:00~24:00
これは、このように活用します。
9時から14時まで仕事し、夕方から遊びに行きます。
例えば近場の温泉旅行。
そこで一泊して翌日19時から24時まで仕事をする
それ以外の3日間は、9時から21時などで仕事
1泊の温泉旅行に、仕事を休まずに行けちゃうんです。
仮に土日が月に1回休めたとすると、こんな感じの1週間が出来上がります。
月:9:00~21:00 (11時間勤務)
火:15:00~24:00 (8時間勤務)
水:12:00~24:00 (11時間勤務)
木:9:00~14:00 (5時間勤務)
(ここの間に29時間あります!!! 遊べます。)
金:19:00~24:00 (5時間勤務)
土:休み (公休日)
日:休み (公休日)
月曜日から水曜日は、ガッツリ仕事です。
といっても、連日残業ではないので、そんなに大変ではないです。
そして、
木・金は車で2~3時間のところへ温泉旅行で1泊できます。
土日は、金曜日仕事終わったら寝ないでそのまま一泊でスキー旅行
体力がある若いうち限定です
よく
残業ばかりで出会いが・・・
それは単なる言い訳になります。
ここだけの話ですが、ドラッグストアの薬剤師なら、そんなに勉強しなくてもやっていけます。(笑)
誤解の無いようにいいますが、もちろんみんながそうというわけではありません。
念のため。
ただし、同じ店舗の社員との付き合いとなってしまったら、オールすれ違いです。
いろいろな人との出会いがあるうえ、シフト勤務もうまく使い倒してメリットを享受すれば、ドラッグストアが圧倒的に有利であることがお判りいただけただろうか。
条件付きで、調剤薬局が有利な件
ここまで、ドラッグストアのメリットを熱く語ってきましたが、調剤薬局にもいいところはあります。
調剤薬局のスタッフ構成
調剤薬局のスタッフ構成はいたってシンプル
- 管理薬剤師
- 勤務薬剤師:1人~8人くらい(規模による)
- 調剤事務:2人~10人くらい(規模による)
管理薬剤師以外は、正社員だけではなくパート社員も多いです。
大規模薬局であれば、調剤事務の社員もいますが、ごくまれに男性がいるくらいでほとんどが女性です。
たまに、調剤事務さんで、「薬剤師の人を探して就職した」という人をお見掛けしますが、まあ、それは価値観の問題なので控えさせていただきます・・・。
また、ドラッグストアとの大きな違いは、学生アルバイトがいないことです。
調剤薬局に就職する薬剤師の傾向は?
ちなみに、調剤薬局薬剤師社員の傾向としてどんな感じなの人が多いのか。
これは筆者の主観も入ってしまいますが、漠然としたイメージよりも手触り感の伝わる形にしたいのであえて書かせていただきます。
今まで、新入社員に「なぜ調剤薬局に就職したのか」聞いたところ、このような傾向にありました。
おそらく人事担当には見せない率直な意見もあると思います。
- ドラッグストアは忙しそうだし、薬以外のこともやらされるのが嫌。
- 病院は、給与が低いため、調剤薬局にした。
- 周りの友達も調剤薬局だし、学生のころから調剤薬局で働くものだと思ってとくに考えてもいない。
今や薬剤師のメインの就職先である調剤薬局なので、強いモチベーションがある人だけでなく、調剤薬局就職が当たり前と考えている風潮が強いようです。
薬剤師どうしの出会いであれば、調剤薬局が逆に有利
限定された範囲になりますが、薬剤師同士なら可能性がないわけではありません。
むしろ、薬剤師同士の出会いを望むなら、薬剤師の絶対数が多い調剤薬局のほうが有利です。
その場合でも、あらゆる面において大規模チェーン、大型店舗が有利となります。
調剤薬局での出会いにつながる行事
- 勉強会や学界の準備
- 在宅でのトラブルや問題解決を一緒に成し遂げる
- 仕事上のトラブルや、調剤過誤での対応、悩みの相談など
はい。少ないです。
全てがルーチンで回ることがベストな調剤薬局では、なかなかドラマティックな展開が起こりにくいです。
出会いを求めるなら小規模の会社は難しい
調剤薬局、ドラッグストア共通で、小規模チェーンは残念ながら出会いの確立が低いといえます。
出会いの確立が低い一方、出会いに対するリスクは非常に高くなります。
小規模薬局の場合の出会いのリスク
小規模薬局での出会いのリスクは、想像しやすいと思います。
実際にあった例では、一方的に好意を持たれてしまうケース。
好意を持たれる側は、うすうす気づいていても、はっきりNGを伝えることができません。
狭い空間の中で今後も仕事しなければならないので、できれば何事もなく過ぎていってほしいと思うのは普通です。
しかしながら、難しいもので、一方的な好意が暴走してしまい、ついにはっきりと断らなくてはならない状況が発生してしまいました。
その後の雰囲気は、周りも巻き込むそれはひどいもので・・・
その辺がしっかり自制できなければ、調剤薬局での出会いはあきらめたほうがよさそうです。
大規模チェーンであれば、出会いのリスクが軽減される
大規模なら人事異動でリセットできるので、どちらかが異動願を出して幕引きとなります。
ピンチをチャンスに生かした例
トラブルの内容までは分かりませんが、人間関係のトラブルが発生した薬剤師さんがいました。
本部にほんとかウソか仕事の熱意と、過疎地での勤務を希望して栄転したという強者もいました。
ものは考えようです。
調剤薬局での出会いがうまくいった場合
あまりないケースですが、うまくいけば休みもほとんど同じになるため、都合がよいですが、あまり聞きません。
社内結婚のほとんどは、同期の新人研修などからのつきあい
というほぼ運命的なケースのため、あまり参考にはなりません。
小規模薬局で、険悪になってしまった場合は転職でリセット
これ一択です。
まあ、極端ですが、その辺は大人なのでうまくやり過ごしているケースもありますのでご安心ください。
調剤薬局の場合は、土日祝日休みを生かして婚活に力を入れたほうが効率的です。
さいごに
結論 チェーンドラッグストアがもとも出会いのチャンスがあるということは、想像通りでしたでしょうか。
患者さんのために日々全力で取り組むことを生きがいにしている薬剤師さんも、趣味にゆとりに充実した人生を送りたい薬剤師さんも、だれもが一度は真剣に悩むテーマです。
仕事選びの参考にしていただければ嬉しい限りです。
今から転職を考えている人向けにこちらもどうぞ。