・プロモーションを含みます
「大手に入れば安心」と思っていたのに、「給料が全然上がらない…」と気づく薬剤師は少なくありません。
実はこれ、大手の給与制度や業績構造を知れば当然の結果なんです。なぜ昇給が伸びないのか、制度の裏側から解説します。
大手は「給与テーブル」が硬直的に決まっている
大手は全国に数百店舗〜千店舗単位で展開しており、給与制度を統一して管理する必要があります。
そのため個人評価による昇給はほぼなく、勤続年数・資格・役職によるテーブル通りに昇給が決まります。
このテーブルはほぼ毎年一定で、最大でも年1万円程度の微増にとどまるケースが多いです。
大手の「業績が頭打ち」で人件費を上げる余力がない
大手の調剤薬局 ドラッグストアの業績が近年パッとしない記事はこちらで記載しています。
調剤薬局・ドラッグストア市場は、国内の人口減少・処方箋枚数の伸び悩みで成長が鈍化しています。
出店余地も限界に近づいており、既存店の売上は横ばいか微減傾向。
つまり大手としても「業績を大きく伸ばして社員の給与を上げる」という選択肢が取りにくくなっています。
人件費を抑制するために「制度が昇給を防ぐ機能」を果たしている
業績が伸びない中で経費として最も大きいのが人件費。ここを抑えないと利益が圧迫されます。
そのため会社としては「給与テーブルを硬直的に維持する」ことで、個別の交渉や急激な人件費増加を防ぎたい事情があります。
言い換えると、給与制度そのものが「昇給を防ぐ仕組み」として機能しているのです。
年1回 人事考課、昇給ありなどと書かれていますが、会社の業績が良ければ昇給ありと読み変えたほうが良いです。
というのも、調剤チェーンや薬局チェーンがイケイケだったころは、黙っていてもまあまあ給料は上がりました。
しかし今は右を向いても左を向いても低成長です。利益が伸びていませんので昇給できません。
ここげ注意しなければならないことは、業績が良いということと営業利益が大きいことは一致しません。
過去に比べて前年比二桁成長などというものが業績が良いのであって、前年比数パーセント増というのはもはや業績が良いとは言えません。
大手は株式を上場しているので、株価を維持するために高い成長率が必要なので、手っ取り早く人件費を減らして成長率の低下を少しでも食い止めようとしています。
そのため、人件費は最初から抑えることを目的としているので給料は上がりません。
大手の人事制度の「評価」はほぼ形式的
多くの大手企業には「人事評価制度」がありますが、実際は給与テーブルがすべてを決めるため、評価結果が年収に大きく影響することはほとんどありません。
評価が昇格・昇給に結びつかないため、優秀な薬剤師でも「頑張っても給料が上がらない」と感じやすく、モチベーション低下の原因になります。
大手の管理薬剤師職でも「劇的な年収アップ」は見込めない
管理薬剤師や店長になっても、役職手当は月2〜5万円が相場で、年収ベースでは50万円程度の上乗せにとどまります。
また管理職のポストも限られているため、昇進できないまま年収が横ばいになる人も多いです。
結論:大手の「安定」と「昇給」はトレードオフ
大手は制度・福利厚生が整い、急な減給やリストラのリスクが少なく「安定」しています。
しかし給与制度は安定の裏返しとして硬直化し、「大幅昇給を狙うのはほぼ不可能」というのが現実です。
収入を大きく上げたい場合、転職や本部職へのキャリアアップを検討するのが現実的な選択肢です。
実力で本部職へのキャリアアップができそうな会社だと思えば頑張ればいいし、好き嫌いが結構影響するよね~といった会社なら、ほどほどに頑張るか見切りつけるかのどちらかが吉。
💬 この記事を読んで「将来を考えて転職すべきかも」と感じた方は、エージェントに市場価値を聞くだけでも視野が広がりますよ!