今回は、おもしろい?転職失敗談を聞いたので早速記事にします。
本来は、薬剤師それぞれに寄り添って、薬剤師ごとにベストな転職先をマッチングさせるのが、転職エージェントの腕の見せ所です。
そんな転職エージェントとして、薬剤師の免許を持ちながら働いていた人でも、自分の転職でミスってしまったという笑えない事例のご紹介です。
今回は、友人の勤務する調剤薬局と、薬局チェーンで起きた失敗談をご紹介します。
転職失敗の舞台となった友人Aの薬局の紹介
友人Uの勤務する某調剤薬局について簡単に紹介します。
- 主に整形外科を応需し、水曜日・日曜日は医療機関に合わせて休業します。
- 1日の処方箋枚数は、40枚くらいで、社員の薬剤師1名と、調剤事務員1名、午前中の混雑時のみ勤務するパート薬剤師の計3名の人員体制です。
- 社員薬剤師が使用で休みを取るときは、マネージャーが他の薬局とのやり取りを調整してくれて、全てではないが休みは比較的取りやすい状況です。
- 年収は、40代前半で600万くらい(想像?もっとあるかも)です。
結構いい薬局です(笑)
友人Uの薬局に来た、礼儀正しい患者様
そんな薬局に、ある日、子供の処方箋を持ったお父さんが来局しました。
お薬手帳、保険証等必要なものはすべて揃えて受付に提出してくれました。
受付時の問診票も、嫌そうな顔一つせず、丁寧な字で記載してくれました。
整形外科の門前薬局なのですが、他の整形外科の処方箋を持ってきました。
在庫はあったのですが、使用部位や日数が記載されていない処方箋だったので、疑義照会でしばらくお待たせしてしまったようです。
場合によっては、すこしイライラさせるような状況だったにもかかわらず、終始さわやかな笑顔で服薬指導を聞いて帰っていきました。
薬剤師なら思うことでしょう。なんて良い患者様だ。
ありがたや~~~
そのときに、友人は、提出された保険証のコピーを見て、某薬剤師転職サイト運営会社の社員なのかもしれないと分かったそうです。
保険証には、某薬剤師転職サイト運営会社の名前が書かれていました。
きっと、ふだんエージェントとして働いていて、顧客は薬剤師だから、ついつい腰が低くなってしまうのかな?などとおもっていたそうです。
友人Uの薬局を見た礼儀正しい患者さんの誤解と正体
そんな友人の勤務する薬局の人員構成や処方箋枚数の情報をみて、これを読んでいる薬剤師なら、「条件のいい薬局じゃん!」と思ったと思います。
薬局内の雰囲気もよく、それほど忙しくもないため、友人も働きやすいと言っていました。
整形外科と同時にオープンしたての薬局なので、まだ処方箋枚数も少なく、人員的にも古い人がいない、明るい雰囲気の薬局です。
そんな薬局を訪れた薬剤師転職エージェントと思われる患者さんは、アンサングシンデレラに出ていた田中圭さんに似ていたイケメンだそうです。
薬局の新妻の事務さんとパートさんで「田中さん」と言って非常に盛り上がっていたようです。
そんなエージェント田中さん(勝手に命名)、その後も子供の処方箋を持って友人の薬局にちょくちょく来るようになりました。
整形外科の処方箋だけではなく、皮膚科の保湿剤や、アレルギーの薬など、子供ならではの処方箋を持ってきたそうですが、友人がすごく気になっていたことがありました。
それは、同じような薬がいろんな医療機関から重なって処方されていたことです。
A小児科からヒルドイド
B皮膚科からヒルドイド
C小児科からアレロック
D耳鼻科からアレロック
などなど・・・
服薬指導では、エージェント田中さんは、「医師も重複を知っていて、無くなり次第切り替えることになっているから大丈夫」と、疑義照会を華麗に阻止する受け答えでスルーしていました。
このへんで友人は、エージェント田中さんを怪しむようになります。
ひょっとして、そのうち自分に転職の紹介をしてくるのではないか?
もしくは、誰か薬剤師を紹介してくるのではないか?
そのための営業に子供の処方箋を使って薬局に来ているのではないかと思うようになりました。
もしそうだとすると、「医療費の無駄遣いもええかげんにせいや!」と言ってやりたい気分なっていました。
ヒルドイドソフト軟膏を2か所から・・・
ロキソニンテープを2か所から・・・
そんな処方箋が続いていたある日、急にエージェント田中さんが来なくなりました。
新妻調剤事務さんと、パート薬剤師さんも残念そうに話していたそうです。(笑)
急に来なくなったエージェント田中さんのことをふと考える友人A
自分がスカウトされずに去って行ってしまったエージェント田中さんにもやる・・・友人A
それとも、
うちの薬局に誰か薬剤師を紹介するつもりだったのに、エージェント田中さんのお眼鏡にかなわなかったのか・・・
そもそも、勝手にエージェントと思い込んでいたが、本当は普通の患者さんだったのか?
そもそも、田中さんでもないし(笑)
それから、数か月たって衝撃的な!?事実を友人Aは目の当たりにします。
エージェント田中さん、友人Aの薬局チェーンに薬剤師として入社(笑)
田中さんが入社したということを知って、いままでの謎の重複処方箋の意味が分かりました。
エージェント田中さんは、薬剤師でありながら転職サイトで働いていたということです。
そして、友人Aの薬局を下調べしていたんだと。
そして、友人Aの勤務状況を見て、友人Aの薬局チェーンにお客さんを紹介せずに自分が入社しちゃいました。
エージェント田中さんの致命的な転職失敗
でも、友人には一抹の不安がありました。
いまは自分の薬局も、開局したてで人員が豊富だけど、そもそも門前の医師にたのんで開局させてもらったため、その医師から患者さんを待たせないように人員体制をしっかりするようマネージャーが念を押されていたそうです。
そして、このようなホワイトな薬局は自分の会社でも珍しいことも当然分かっていました。
数か月後、友人の不安的中しました。
入社したばかりの田中さんは、条件が合わないと言って退職しました。(笑)
何ということでしょう。
薬剤師のクライアントに、ベストな職場をマッチングするはずのエージェントが、地道に実地調査を続けて、優良?と思われる案件を自分に使って転職失敗なんて、笑い話にもなりません。
今回のエピソードから得られる教訓があります。
エージェント田中さんは、人当たりもよく、見た目も良いのでもしかしたら前職では人気の転職エージェントだったのかもしれません。
でも、どんなに良さそうなエージェントでも、地道な調査を重ねたうえでの自分の転職をミスる場合もあります。
そんなこともあるので、薬剤師転職エージェントはいろんな方に、複数お世話になったほうが良いと思う出来事でした。
転職エージェントでも、灯台下暗しというのでしょうか。
ちゃんと
薬剤師転職 お宝求人を手に入れる4つの方法【年収・労働条件妥協無し】
こんな感じで下調べをした方が良かったと思います。