4月です。

新年度です。
異動した人もいれば、新人が入ってきて「教える側」に回った人もいる。
あるいは特に何も変わっていないようでいて、なんとなく「今年こそ少しは勉強しないとな」と思う季節でもあります。

私もそんなテンションで、薬剤師向けの本をいろいろ見ていました。

どうせ買うなら、現場で使えて、しかも評判もいいやつがいい。
せっかくお金を出すなら、「買ったけど机の飾り」になる本は避けたい。

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というわけで今回は、羊土社の薬剤師向け書籍4冊について、公式情報やネット上のレビューを見ながら、
それぞれどんな本なのか、どんな人に向いていそうかをまとめてみます。

今回見たのはこの4冊です。

なお、レビューは時期によって変動するので、最終的には自分でもレビューを見て決めるのがいちばん安全です。

この記事でも参照リンクを残しておくので、気になる本はそのまま見比べてください。

さいごに、ゆるやく的レビューもありますので是非ご覧ください

1.薬局ですぐに役立つ 薬の比較と使い分け100

まずはこれ。
薬剤師界隈だと、かなり名前を見かける本です。

羊土社の公式ページでは、2017年10月13日発行、B5判423ページ
「類似薬の違い」を約730点の参考文献を示しながら解説する本で、服薬指導、疑義照会、処方提案にもつながる構成とされています。さらに公式には、第50回日本薬剤師会学術大会先行販売で完売、売上1位達成とも案内されています。

要するにこの本、
「この薬と前の薬、何が違うの?」
「同じ系統っぽいけど、何で変更されたの?」
みたいな、薬剤師が地味に詰まりやすいところを正面から扱う本です。

ただ添付文書をなぞるというより、“比較して理解する本”という感じ。

漫然と薬効分類を覚えるより、「違い」「使い分け」「処方意図」をつかみたい人に向いていそうです。

ネット上の評価もかなり良くて、楽天レビューでは5点満点中4.62、13件でした。

こういう人に向いてそう

  • 同効薬の違いを、患者さんや他職種に説明できるようになりたい人
  • 疑義照会で「ただ確認するだけ」から一歩進みたい人
  • 服薬指導の中身をもう少し厚くしたい人

逆にこういう人には微妙かも

  • とにかく一覧でサッと確認したい人
  • 新人で、まずは最低限の実務確認本がほしい人

 

 

正直、この手の本は相性があります。
「勉強になる本」でも、自分の今の業務に刺さらなければ積読になりがちです。
なので、気になる人は商品ページやレビューも見て、自分に合いそうか確認してから選ぶのがおすすめです。

2.OTC医薬品の比較と使い分け

次はOTC。
調剤メインの薬剤師でも、ドラッグやOTC相談に少しでも関わるなら、かなり気になる本です。

羊土社の公式ページでは、2019年11月29日発行、B5判464ページ
「有効成分の比較」と「症状やニーズに応じた使い分けフローチャート」でOTCの選び方を学べる構成で、妊婦・授乳婦対応など117のQ&Aも収載されています。薬局薬剤師や登録販売者向けとはっきり書かれています。

この本のよさは、
「この成分が入っています」で終わらないところだと思います。

OTCって、

  • どれを選ぶか
  • どこで受診勧奨するか
  • 妊娠・授乳中はどう考えるか
  • 成分が似ている商品の差をどう説明するか

このへんが実務で面倒なんですよね。

そのあたりを、比較とフローチャートで整理してくれる本なので、“売場の現場で困ること”に寄せた本という印象です。

レビューも強くて、楽天では4.8/5、10件、Amazonでは4.4/5、182件となっていました。少なくともネット上ではかなり支持されている部類です。

こういう人に向いてそう

  • OTC相談に苦手意識がある調剤薬局薬剤師
  • ドラッグストア勤務の薬剤師・登録販売者
  • 一般用医薬品の記事や比較コンテンツを書きたい人

逆にこういう人には微妙かも

  • OTCにほぼ関わらない人
  • 調剤報酬、監査、処方鑑査の実務本を探している人

 

OTCは「なんとなくの経験則」で回していると、後で怖くなる分野でもあります。
気になる人は、レビューをざっと見てから買うか決めるのも全然ありです。
実際、目次や口コミを見るだけでも、自分に必要な本かどうかかなり判断しやすいです。

3.薬局ですぐに役立つ 薬剤一覧ポケットブック

これはだいぶ実務寄りです。
読む本というより、困ったときに引く本

羊土社の公式では、2023年9月14日発行、B6変型判488ページ
「粉砕不可一覧」「一包化不可一覧」「疾患併用禁忌一覧」など、57項目の一覧を収載し、調剤・処方鑑査・服薬指導のポイントが学べるとされています。

この本の強みは、たぶんわかりやすいです。

現場でよくあるのは、
「これ粉砕だめだっけ?」
「一包化いけるんだっけ?」
「この疾患で禁忌だったよな?」
みたいな、覚えているようで毎回ちょっと不安になるやつです。

その“毎回うろ覚え問題”を、一覧で速く確認できる本。
なので、思考を鍛えるというより、事故防止と時短に強い本だと思います。

Amazonでは4.1/5、48件、楽天ではレビュー件数はまだ少なめでした。

こういう人に向いてそう

  • 新人薬剤師
  • 中堅だけど、実務の細かい確認を速くしたい人
  • 調剤過誤を減らしたい人
  • 机の上に“引ける本”を1冊置きたい人

逆にこういう人には微妙かも

  • 病態や処方意図まで深く学びたい人
  • 比較・使い分けの考え方を鍛えたい人

結論がすぐわかるので、無理やり考えた短所?です。

こういう本は、レビュー欄を見ると「どの業務で役立ったか」がわかりやすいです。
自分と近い働き方の人の口コミを見てから決めると、外しにくいと思います。

4.薬学生・薬剤師のための 調剤実務の計算これ1冊ドリル

最後は計算ドリル。
「本当にそこ?」と思う人もいるかもしれませんが、4月にやり直すには意外と悪くないジャンルです。

羊土社の公式ページでは、2026年1月22日発行、B5判144ページ
「計算の要点やコツ → 例題 → 練習問題」の反復で、調剤に必要な計算パターンを学べる構成とされています。実務実習の予習復習や、業務に応じた学び直し向けとも案内されています。

しかも中身は、単純な散剤計算だけではなく、
浸透圧、当量、注射用カリウム製剤、高カロリー輸液、NPC/N比、投与速度、麻薬残量、消毒薬調製なども扱うとされています。
思ったよりちゃんと実務寄りです。

一方で、この本は新しいので、レビューの蓄積はまだ薄めです。
Amazonの商品ページや読書メーター上では見つかるものの、現時点では他の3冊ほどレビュー材料は多くありませんでした。

なので、これは正直に言うと、
「レビューが多い人気本を選びたい人」向けというより、内容を見て必要性で決める本かなと思います。

こういう人に向いてそう

  • 計算がちょっと苦手な薬学生
  • 新人薬剤師
  • ブランク明けで計算をやり直したい人
  • 実務実習の予習復習をしたい人

 

逆にこういう人には微妙かも

  • 計算で特に困っていないベテラン
  • 実務確認本や一覧本を探している人

 

この本は比較的新しいので、買う前にレビューや目次を見て、自分に必要なレベルか確認しておくと失敗しにくいです。
「今の自分にちょうどいいか」を見てから選ぶのがよさそうです。

結局、どれを買うのがよさそうか ゆるやく的まとめ

4冊をざっくり分けると、こうです。

処方薬の“違い”を理解したいなら

薬の比較と使い分け100
→ 類似薬の差、処方意図、服薬指導、疑義照会までつなげたい人向け。

疑義照会して、「じゃあ何ならいいの?」と聞かれてドキッとする人向け

OTCをちゃんと学びたいなら

OTC医薬品の比較と使い分け
→ 売場対応、成分比較、受診勧奨、妊娠・授乳中対応まで見たい人向け。

ドラッグストアでOTC歴が長い自分としては、OTCでは困らないけど知識のアップデートとして面白いかな

調剤実務で“引ける本”がほしいなら

薬剤一覧ポケットブック
→ 粉砕、一包化、禁忌、監査など、実務の細かい確認用に強い。

若いころなら、えーい、一包化しちゃえ!!という勢いがあったかもしれないが(←非推奨)、今は不安でいろいろ調べてます

計算をやり直したいなら

調剤実務の計算これ1冊ドリル
→ 4月の学び直しには案外まじめにアリ。レビューはまだ少ないので内容ベースで判断。

計算って何度やっても不安になります。錠剤からドライシロップ剤への変更とか、何度も何度も検算して・・・という自信のない自分はドリルからやらなければと普通に思っています

よくレセコンに向かって、自動計算しろ!!とかつぶやいてましたよね(笑)

私ならどれを買うか

私なら、いちばん最初に買う候補は
「薬の比較と使い分け100」「薬剤一覧ポケットブック」 です。

理由はシンプルで、

  • 考え方を鍛えたいなら「比較と使い分け」
  • 現場で即使いたいなら「一覧ポケットブック」

この2冊は役割がはっきりしていて、買った後に「思ってたのと違う」が起きにくそうだからです。

疑義照会で代替をとっさに聞かれたり、新規採用薬の一包化などの時に慌てる機会が多いので、同じような人には参考になるかも

OTCに携わったことが無い薬剤師や、OTCに関わる比重が高いなら、もちろん「OTC医薬品の比較と使い分け」がかなり有力です。

まとめ

4月って、やたらと「今年はちゃんと勉強しようかな」と思うんですが、
そのわりに何を買うか決めきれず、気づいたら何も買わないまま終わることがあります。

それはそれで、春っぽい失敗です。

なので、まずは
今の自分に必要なのが“考える本”なのか、“引ける本”なのか、“OTC本”なのか、“計算のやり直し本”なのか
そこだけ決めると選びやすいと思います。

あとは商品ページやレビューを軽く見て、
「これは今の自分に刺さるな」と思ったものを1冊買う。
たぶんそれがいちばん失敗しにくいです。

参考リンク