ドラッグストアの売り場で、

「フェミニーナ軟膏SとVIOLAOケアって、何が違うんですか?」

と聞かれて、説明に困ったことはありませんか?

どちらも、かゆみやかぶれなどに使えるOTC医薬品です。

パッケージを見ても似ていますし、効能・効果を見比べてもかなり共通しています。

さらにフェミニーナ軟膏Sには「カンジダ症には使用しない」といった注意があります。

 

「じゃあVIOLAOケアならいいの?」
「フェミニーナ軟膏Sを使うとカンジダが悪化するという意味?」

 

このあたりも、売り場で聞かれると意外と説明に困るポイントです。

そこで今回は、まず一般のお客さんにフェミニーナ軟膏SとVIOLAOケアの違いをどう説明すればよいのかをシンプルに整理します。

そのあとで、登録販売者の勉強用として、有効成分や効能・効果まで細かく比較していきます。

まず結論:分かりやすい違いは「清涼感の有無」

フェミニーナ軟膏SとVIOLAOケアには成分上いくつかの違いがあります。

ただ、一般のお客さんに説明するとき、最初から細かな成分の話をする必要はないでしょう。

分かりやすい違いのひとつは、VIOLAOケアにはl-メントールが配合されていて、清涼感があることです。

フェミニーナ軟膏Sには、今回比較している有効成分としてl-メントールは配合されていません。

そのため、売り場で違いを聞かれたら、

「どちらもかゆみやかぶれなどに使えるお薬ですが、VIOLAOケアはメントールが入っているので清涼感があります」

と説明すると、まず違いをイメージしてもらいやすくなります。

フェミニーナ軟膏SとVIOLAOケアの違いを簡単に比較

比較ポイントVIOLAOケアフェミニーナ軟膏S
かゆみ・かぶれなどへの使用
ステロイド配合なし配合なし
かゆみに対応する成分配合配合
抗炎症成分(グリチルレチン酸)配合配合なし
l-メントール配合配合なし
使用感の分かりやすい違い清涼感ありl-メントールによる清涼感なし

 

両社の成分は、大した違いはありません。

つまり、一般のお客さんが店頭で2製品を比較するなら、「清涼感があるタイプかどうか」がひとつの分かりやすいポイントです。

VIOLAO公式サイトにも、べたつきにくいという使用感を訴求しているので、「使用感を求める場合はVIOLAOの方が良い」という説明が一番わかりやすいでしょう。

そして、VIOLAOケアのほうが成分数が多いから「強い」「よく効く」という説明もちょっと不適切かもしれません。

実際には効能・効果や有効成分、使用上の注意を確認したうえで選ぶ必要があります。

「フェミニーナはカンジダに使えない」ってどういう意味?

もうひとつ、一般のお客さんから質問されそうなのがカンジダについてです。

フェミニーナ軟膏Sの使用上の注意を見ると、カンジダ症には使用しないよう記載されています。

ここで注意したいのは、

「フェミニーナ軟膏Sを塗るとカンジダが悪化する」という意味ではない

ということです。

デリケートゾーンのかゆみにはさまざまな原因があります。

カンジダ症による症状であれば、今回比較しているような「かゆみ・かぶれなど」に使用する薬を漫然と使うのではなく、カンジダ症に適した対応が必要になります。

そのため、

「フェミニーナ軟膏SがダメならVIOLAOケアを使えばいい」

という意味でもありません。

カンジダ症が疑われる場合は、どちらを選ぶかではなく、薬剤師・登録販売者などに相談して適切な対応を確認しましょう、という意味です。

登録販売者としても、

「フェミニーナはカンジダに使えないので、代わりにVIOLAOを」

と単純に置き換えるのではなく、そもそも今回の症状が一般的なかゆみ止めで対応してよいものなのかを確認することが大切です。

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ここから薬機法に基づき:効能・効果と成分を詳しく比較

ここまでは、お客さんが売り場で「結局何が違うの?」と迷ったときに分かりやすい部分を中心に説明しました。

ここからは登録販売者の勉強用です。

OTC医薬品を説明するときに注意したいのが、

「その成分が持っている薬理作用」と「その製品に認められている効能・効果」を混同しないこと。

成分から「こういう方向の薬だな」と理解することは接客に役立ちます。

しかし、一般のお客さんに製品の効果を説明するときは、製品として認められている効能・効果に戻って説明する必要があります。

フェミニーナ軟膏SとVIOLAOケアの効能・効果

商品名製品としての効能・効果
クリニラボ VIOLAOケアかゆみ、かぶれ、湿疹、皮膚炎、じんましん、あせも、ただれ、虫さされ、しもやけ
フェミニーナ軟膏Sかゆみ、かぶれ、湿疹、虫さされ、皮ふ炎、じんましん、あせも、ただれ、しもやけ

こうして並べると、両製品の効能・効果は今回確認した範囲ではほぼ共通しています。

つまり、製品の違いを、

「VIOLAOケアは○○用、フェミニーナ軟膏Sは△△用」

と大きく分けて説明できるわけではありません。

だからこそ、有効成分の構成や使用感の違いを理解しておくことが、店頭での説明に役立ちます。

有効成分を詳しく比較

成分名成分分類VIOLAOケア 100g中フェミニーナ軟膏S 100g中比較ポイント
リドカイン局所麻酔成分2g2g同量
ジフェンヒドラミン/同塩酸塩抗ヒスタミン成分ジフェンヒドラミン1gジフェンヒドラミン塩酸塩2g化学形が異なるため単純な重量比較には注意
グリチルレチン酸抗炎症成分1gVIOLAOケアのみ
トコフェロール酢酸エステルビタミンE誘導体0.5g0.3gVIOLAOケアの表記量が多い
イソプロピルメチルフェノール殺菌成分0.1g0.1g同量
l-メントール清涼・鎮痒補助0.5gVIOLAOケアのみ

この表まで見ると、冒頭で「清涼感の違い」と説明した理由も分かります。

VIOLAOケアには、フェミニーナ軟膏Sにはないl-メントール0.5gが配合されています。

さらにVIOLAOケアには、抗炎症成分であるグリチルレチン酸1gも配合されています。

一方でリドカインは両製品とも100g中2g、イソプロピルメチルフェノールは100g中0.1gです。

成分の役割をざっくり整理

ここは薬剤師・登録販売者向けに、成分の役割をイメージしやすく整理した部分です。製品としての効能効果とは分けて考えてください。

成分名ざっくりした役割主な目的接客時の理解
リドカインかゆみ感覚を鎮める担当知覚刺激を抑えてかゆみを鎮める局所麻酔作用による「かゆみ担当」
ジフェンヒドラミン/同塩酸塩ヒスタミン由来のかゆみ担当ヒスタミンによるかゆみを抑える抗ヒスタミン作用による「かゆみ担当」
グリチルレチン酸炎症担当患部の炎症を抑えるVIOLAOケアのみ
トコフェロール酢酸エステル回復サポート担当血行促進など両製品に配合
イソプロピルメチルフェノール殺菌担当雑菌の繁殖を抑える化膿そのものを治療する成分とは考えない
l-メントール清涼感担当清涼感によりかゆみを和らげるVIOLAOケアのみ

店頭ではこれを全部説明する必要はありません。

登録販売者側が「何のために入っている成分なのか」を理解しておき、お客さんの質問に応じて必要な部分だけ翻訳して伝えるイメージです。

ジフェンヒドラミンとジフェンヒドラミン塩酸塩はどう違う?

ここは一般のお客さんへの説明では、基本的に省略してよい部分でしょう。

ただし、登録販売者が成分表を比較するときには注意が必要です。

VIOLAOケアには、

ジフェンヒドラミン 1g

フェミニーナ軟膏Sには、

ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g

と記載されています。

どちらも抗ヒスタミン成分として配合されていますが、ジフェンヒドラミンとジフェンヒドラミン塩酸塩では化学形が異なります。

そのため、成分表の数字だけを見て、

「VIOLAOは1g、フェミニーナは2gだから、フェミニーナのほうが2倍入っている」

「だからフェミニーナのほうがかゆみに強い」

と単純比較することはできません。

ここはOTC比較記事を書く際にも注意したいポイントです。

配合量の数字が大きい=効き目が強い、とは限りません。

一般のお客さんへの説明では塩形まで持ち出すと話が複雑になるため、

「どちらにも抗ヒスタミン成分が配合されています」

程度の説明で十分な場面も多いでしょう。

店頭ではどう説明する?

ここまで整理した内容を実際の接客に落とすと、かなりシンプルになります。

「どちらも、かゆみやかぶれなどに使える非ステロイドのお薬です。

分かりやすい違いとして、VIOLAOケアにはメントールが入っているので清涼感があります。

ほかにも配合成分に違いがありますが、大きな差はないので、使用感の好みなどを確認して選びましょう」

まずはこれくらいで十分です。

さらに詳しく聞かれたら、

「VIOLAOケアにはメントールだけでなく、炎症を抑えるグリチルレチン酸も配合されています」

と補足できます。

一方、

「じゃあVIOLAOケアのほうが効きますか?」

と聞かれた場合は、

「成分数だけで効き目の強さを比較することはできません。ただ、理論上はそうなるかもしれません」

と整理するとよいでしょう。

Amazonなどの通販サイトで「一緒に調べられている薬」の参考に

商品を検索したときに、ほかにどのような医薬品が候補として出てくるのかを見ることです。

「フェミニーナを探している人は、ほかにどんな商品と比較しているのか?」

「一般のお客さんは、これらを同じ選択肢として考えているのか?」

といった消費者側の比較行動を知る参考にはなります。

もちろん、一緒に検索されているからといって、医学的に代替できる医薬品という意味ではありません。

あくまで店頭でどんな比較質問をされそうかを考えるための補助情報として見る程度にしましょう。

【検索確認用リンク】

・商品名:クリニラボ VIOLAOケア

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まとめ:一般のお客さんには「まず使用感」、登録販売者はその先まで理解する

フェミニーナ軟膏SとVIOLAOケアの違いを聞かれたら、一般のお客さんに最初から細かな成分表を説明する必要はありません。

今回の比較でまず分かりやすいのは、VIOLAOケアにはl-メントールが配合されていて、清涼感があることです。

両製品は認められている効能・効果に多くの共通点があります。

そのうえでVIOLAOケアにはグリチルレチン酸やl-メントールが配合されるなど、有効成分の構成には違いがあります。

登録販売者としては、

一般のお客さんには分かりやすい違いから説明する。

その裏側では、

公式の効能・効果と、それぞれの有効成分の薬理作用を分けて理解しておく。

この二段構えにすると、かなり接客しやすくなります。

また、カンジダ症が疑われる場合は、「フェミニーナがダメならVIOLAO」という単純な置き換えではありません。

これは誤解しないようにしましょう。

症状、年齢、持病、併用薬、使用部位なども確認し、今回のようなOTC医薬品で対応してよい症状なのかを判断することが大切です。