犬猫の薬も“院外処方”へ?アルフレッサが動物用調剤薬局と提携

犬や猫を動物病院に連れていったことがある人なら、分かると思います。
診察が終わった。
よし、帰れる。
……と思ったら、
「お薬ができるまで、もう少しお待ちくださいね」

そこからまた待つ。
犬はソワソワ。
猫はキャリーの中で完全に不機嫌。
飼い主もそろそろ疲れてくる。
ありますよね。
人間なら、
病院で診察を受けて、
処方箋をもらって、
薬は近所の薬局でもらう。
でも犬や猫は、
診察も薬も動物病院の中で完結する
ことが多いです。
そんな中、ちょっと気になるニュースを見つけました。
医薬品卸大手のアルフレッサが、
「動物用調剤薬局」
と組んだというのです。
動物用調剤薬局?
犬や猫にも薬局があるの?
気になったので調べてみました。
すると、
思っていたよりずっと先まで進んでいました。
そもそも「動物用調剤薬局」って何?

今回アルフレッサと組んだのは、
12薬局(わんにゃん薬局)
という会社です。
名前からして、もう犬猫感があります。
ここでは、
動物病院から処方情報を受け取り、
薬剤師が薬を調剤。
必要に応じて、
錠剤を割ったり、
粉にしたり、
1回分ずつ袋に分けたりして、
動物病院や飼い主の自宅へ届けています。
つまり、
人間でいうところの、
「病院で診察 → 薬局で薬」
を、
犬や猫でもやろうとしているわけです。
しかも、もう400以上の動物病院が利用している
最初は、
「そんなニッチなサービス、本当に使われてるの?」
と思いました。
ところが、
12薬局はすでに全国400以上の動物病院で利用されているとしています。
累計処方も11万件を超えています。
え。
もうそんなに?
という感じです。
「未来の話」ではなく、
すでにかなり始まっていました。
動物病院の前に、本当に“門前薬局”まである
さらに驚いたのが、
埼玉県には、
動物病院専門の門前薬局
まであります。
人間なら、
病院の前に調剤薬局。
よく見る光景です。
でも、
動物病院の前に、
犬猫の薬を作る薬局。
ちょっと見てみたくなりませんか。
犬や猫の薬って、実はかなり大変

ここからは薬剤師として見ても面白いところです。
犬や猫は体重がバラバラ。
同じ薬でも、
大型犬と小型犬では量が違います。
そのため、
錠剤を細かく割ったり、
粉にしたり、
1回分ずつ分けたりする必要があります。
薬の袋には、
ペットの名前、
薬の名前、
飲ませ方、
量なども表示されます。
多頭飼いなら、
「どっちの薬だっけ?」
を防げる。
これはかなりありがたいですよね。
人間なら、
「山田太郎さん 朝1包」
ですが、
犬猫なら、
「ポチ 朝1包」
みたいな世界です。
なんだか少し可愛い。
動物病院側も、実は調剤でかなり大変らしい
調べていて、
「ああ、これは外に出したくなるかも」
と思ったのが、
動物病院側の事情です。
動物病院では、
診察して、
検査して、
説明して、
会計して、
さらに薬も作る。
薬によっては、
割る。
粉にする。
分包する。
在庫も管理する。
しかも、
あまり使わない薬を置いておけば、
期限切れで廃棄になることもあります。
12薬局の導入事例では、
薬ができるまで長いときは1時間ほど待ってもらうことがある
という動物病院の声も紹介されています。
そりゃ、
犬も疲れます。
猫も怒ります。
飼い主もぐったりします。
「診察が終わったら、すぐ帰れる」はかなり大きい
飼い主側のメリットとして分かりやすいのは、
待ち時間が減ること。
診察が終わったら、
犬や猫を連れて帰る。
薬は後から自宅へ届く。
動物病院が苦手な子なら、
これはかなり助かると思います。
特に猫。
キャリーに入れられ、
車に乗せられ、
知らない場所で診察され、
ようやく終わったと思ったら、
そこから薬待ち。
猫からしたら、
「まだ帰れないの?」
でしょう。
早く帰れるだけでも、
ペットの負担はかなり違いそうです。
「この薬、うちには置いてません」も減るかもしれない
もう一つ面白いのが、
薬の選択肢です。
小さな動物病院が、
あらゆる薬を在庫しておくのは現実的ではありません。
使うか分からない薬を置けば、
期限切れになるかもしれない。
でも、
外部の調剤薬局が多くの薬を持っていれば、
動物病院側は、
「在庫していないから、この薬は使えない」
という制約を減らせるかもしれません。
実際、
「この予防薬は食べてくれない」
「別の薬を試したい」
という飼い主の希望に応えるため、
外部の動物用調剤薬局を使っている病院もあります。
これ、
単なる業務効率化ではなく、
犬や猫の治療の選択肢にも関わってきます。
じゃあ、普通の薬局に犬の処方箋を持っていけばいいの?
ここは注意です。
今回の話を見て、
「じゃあ近所の調剤薬局に犬の処方箋を持っていけばいいんだ」
とはなりません。
動物用医薬品には、
人間用とは別のルールがあります。
今回の仕組みも、
普通の保険薬局が一斉に犬猫の処方箋を受け始める、
という話ではありません。
ただ、
薬剤師法には、
医師や歯科医師だけでなく、
獣医師の処方箋
もちゃんと出てきます。
薬剤師が獣医師の処方に基づいて調剤すること自体は、
法律の中でも想定されています。
普段あまり意識しない部分ですが、
ちゃんと「獣医師」と書いてあるんです。
そして、そこにアルフレッサが入ってきた
今回ちょっと気になるのは、
動物用調剤薬局そのものより、
そこにアルフレッサが入ってきたこと
です。
アルフレッサは、
人間の医療では超有名な医薬品卸です。
その会社が、
動物病院、
動物用調剤薬局、
飼い主、
薬の配送、
情報連携、
こうした仕組みをまとめて事業化しようとしている。
これは、
「ちょっと面白いベンチャーがあります」
で終わる話ではないかもしれません。
犬猫にも「かかりつけ薬剤師」ができたりして

ここからは完全に想像です。
人間なら、
複数の病院でもらった薬を、
薬局でまとめて確認します。
飲み合わせを見る。
飲めているか聞く。
副作用を確認する。
薬が余っていないか見る。
犬や猫でも、
高齢化して、
薬が増えて、
長期治療が増えれば、
似たような役割は必要になるかもしれません。
もちろん、
人間と犬猫では薬の使い方も全然違います。
薬剤師側にも、
獣医療の知識は必要です。
それでも、
「薬のことは薬剤師が支える」
という形が、
動物医療にも広がっていく可能性はありそうです。
動物用調剤薬局の動画もありました
実際にどんな仕組みなのか、
動画で見るとかなりイメージしやすいです。
▶ 12薬局 サービス紹介動画
https://youtu.be/nrnP1_w7-wI?si=YYQKFLGJViYMfBuy
「犬猫の薬局って何するの?」
と思った人は、
これを見るとかなり分かりやすいです。
犬や猫の通院が、もう少し楽になるなら
犬や猫は、
なぜ病院に連れて行かれているのか分かりません。
ただ怖い。
ただ帰りたい。
そんな子も多いと思います。
診察が終わったら、
少しでも早く家に帰れる。
薬はあとで届く。
飼い主も楽になる。
動物病院も診療に集中できる。
そこに薬剤師の仕事も生まれる。
もしそんな形がうまく広がるなら、
悪くないですよね。
「動物用調剤薬局」
最初は、
ちょっと珍しい話くらいに思っていました。
でも調べてみると、
すでに400以上の動物病院が利用し、
門前薬局まででき、
大手医薬品卸も入ってきた。
思っていたより、
ずっと未来が来ていました。
何年か後には、
「人間の薬局」
「犬猫の薬局」
なんて言い方すら、
珍しくなくなっているのかもしれません。
犬や猫と暮らしている人にとって、
通院が少しでも楽になる方向なら、
ちょっと期待したくなる話です。















