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イブシリーズの違いを比較|まずは1回量で違いを整理してみる

「イブって結局、何が違うの?」

ドラッグストアでもよく聞かれる質問です。

イブA錠、イブA錠EX、イブクイック頭痛薬、イブクイック頭痛薬DX、イブスリーショットプレミアム。

名前は似ていますが、成分を見比べると、それぞれ少しずつ設計が異なります。

ただ、メーカー公式サイトでは各商品の特徴は紹介されていても、「どの成分がどれくらい違うのか」を横並びで比較するのは意外と大変です。

そこでまずは、成人1回服用量で比較してみました。

イブって全部同じじゃないんですか?
EXとかDXとか見ても、何が違うのか全然わかりません…。
実は名前よりも、中身を見るとすごく分かりやすいよ。
まずは1回量で比べてみよう。
商品名イブプロフェンアセトアミノフェン酸化マグネシウムアリルイソプロピルアセチル尿素無水カフェイン一言でいうと
イブA錠(2錠)150mg60mg80mg基本形
イブA錠EX(2錠)200mg60mg80mgイブプロフェンを増量
イブクイック頭痛薬(2錠)150mg100mg60mg80mg胃への配慮をプラス
イブクイック頭痛薬DX(2錠)200mg100mg60mg80mgイブプロフェン増量+胃への配慮
イブスリーショットプレミアム(3錠)195mg195mg70mg65mg解熱鎮痛成分を組み合わせた別設計

この表を見るだけでも、

  • EX・DXはイブプロフェンを200mg配合
  • クイックシリーズは酸化マグネシウムを配合
  • スリーショットプレミアムだけアセトアミノフェンを配合
  • スリーショットプレミアムだけアリルイソプロピルアセチル尿素を配合していない

という違いが分かります。

ただ、数字だけでは覚えにくいですよね。

次は、それぞれの成分が「何を担当している成分なのか」を、かんたんにイメージできるくらいシンプルに整理していきます。

ここからは登録販売者さん向けの勉強タイム

ここからは、登録販売者・薬剤師向けの勉強用コンテンツです。

成分の役割をイメージしやすくするため、薬理作用をできるだけわかりやすい言葉に置き換えて説明します。

教育目的のため、この章では薬機法上の効能・効果はいったん置いて、「この成分は何を担当しているのか」を理解することを優先しています。

一般向けの選び方や製品として承認されている効能・効果については、後半で添付文書・メーカー公式情報をもとに整理します。

まずは成分を「登場人物」として覚える

新人登録販売者が最初につまずくのが、成分名を丸暗記しようとすることです。

でも、成分にはそれぞれ役割があります。

まずは「どんなキャラクターなのか」を覚えると、商品ごとの違いも自然と頭に入ってきます。

成分キャラクター一言でいうと
イブプロフェンエース痛みと熱を抑える主人公
アセトアミノフェン頼れる相棒一人でも仕事ができる、もう一人の解熱鎮痛成分
酸化マグネシウム気が利くマネージャーエースが活躍しやすい環境を整える
アリルイソプロピルアセチル尿素魔性の女頼りたくなるけれど、付き合い方には注意したいサポート役
無水カフェイン応援団長エースを後押しするサポート役

 

成分名だけ見ると眠くなります…。
じゃあ今日は全部キャラクターで覚えよう!
丸暗記するよりずっと忘れないよ。

イブプロフェンはチームのエース

 

イブシリーズの中心となる成分です。

頭痛や生理痛など、「痛み止め」として期待される働きの多くは、このイブプロフェンが担当しています。

だから、イブシリーズは基本的に

「イブプロフェンを中心に、他の成分がサポートするチーム」

だと考えると分かりやすくなります。

 

酸化マグネシウムは気が利くマネージャー

酸化マグネシウムって胃薬ですよね?
なんで頭痛薬に入ってるんですか?
そこが面白いところ。
胃を気遣うだけじゃなくて、イブプロフェンが働きやすい環境も整えてくれるんだ。
気が利くマネージャーって感じかな。

酸化マグネシウムというと、「胃薬の成分」というイメージを持つ人も多いでしょう。

もちろん、その役割もあります。

でも、イブシリーズではそれだけではありません。

胃への負担に配慮するだけでなく、胃酸を中和することで、イブプロフェンが溶けやすい環境を整える役割も担っています。

つまり、

「胃、大丈夫?」

と気を配りながら、

「エースが動きやすいように準備しておくね。」

と先回りしてくれる存在です。

派手ではありませんが、チームには欠かせない気が利くマネージャーと言えるでしょう。

アセトアミノフェンは頼れる相棒

じゃあイブプロフェンがいるのに、なんでアセトアミノフェンも入れるんですか?
エース一人より、頼れる相棒がいた方が心強いでしょ。
スリーショットはそんなチーム編成なんだ。

アセトアミノフェンも解熱鎮痛成分です。

イブプロフェンとは働き方が異なりますが、一人でも十分に仕事ができる実力があります。

そのため、医療現場でも幅広く使われている成分です。

イブスリーショットプレミアムでは、このアセトアミノフェンがイブプロフェンとタッグを組んでいます。

つまり、

「エース一人で戦う」のではなく、「エースと相棒の二人体制」

というイメージです。

無水カフェインは応援団長

無水カフェインは、直接痛みを抑える主役ではありません。

解熱鎮痛成分が働きやすいように後押しするサポート役です。

チームで言えば、

「エース、頑張れ!」

と背中を押してくれる応援団長のような存在です。

アリルイソプロピルアセチル尿素は「魔性の女」

“魔性の女”って言い方、ひどくないですか(笑)
魅力があるのは事実。
でも、付き合い方を間違えると振り回されることもある。
だから新人さんには、このくらいインパクトがある方が覚えやすいんだよ。

この成分は、イブプロフェンのように痛みそのものを抑える主役ではありません。

どちらかというと、

「痛い」「つらい」と感じている脳を少し落ち着かせるサポート役

です。

だから、「なんとなく楽になった」と感じる人もいます。

ただ、その一方で眠気につながることがあり、この”落ち着く感じ”を好んで、この成分が入った薬ばかり選ぶようになってしまう人もいます。

海外では、このような鎮静成分を含む市販薬の濫用が問題となった国もあり、現在では使用されていない地域も少なくありません。

だから私は、この成分を新人登録販売者には

「魔性の女」

と覚えてもらっています。

魅力はある。

頼りたくなる気持ちも分かる。

でも、付き合い方を間違えると振り回されることもある。

そんなイメージです。

もちろん、これは教育目的の例え話です。

店頭では「眠気につながることがある成分」「用法・用量を守って使用することが大切な成分」として説明しましょう。

登場人物が分かれば、商品の違いは意外とシンプル

ここまで理解できれば、商品名を丸暗記する必要はありません。

次は、「どの登場人物が増えたのか」「どの登場人物が新しく加わったのか」という視点で、イブシリーズ5製品の違いを整理していきます。

商品ごとの違いは「チーム編成」を見ると一気に理解できる

ここまで読んでいただければ、成分それぞれのキャラクターは分かったと思います。

では、それぞれの商品はどんなチーム編成になっているのでしょうか。

実はイブシリーズは、「まったく別の薬」が5種類あるわけではありません。

基本チームを少しずつ編成変更しているシリーズと考えると、とても覚えやすくなります。

イブA錠|まずは基本チーム

イブシリーズの基準になるのがイブA錠です。

チーム編成はこんな感じです。

  • エース:イブプロフェン(150mg)
  • 魔性の女:アリルイソプロピルアセチル尿素
  • 応援団長:無水カフェイン

シンプルですが、イブシリーズの基本形。

まずはこのチームを頭に入れておくと、他の商品との違いが見えてきます。

イブA錠EX|エースをパワーアップ

チームメンバーはほぼ同じです。

変わるのはエースだけ。

イブプロフェンが150mgから200mgへ増量されています。

つまり、

「チーム編成はそのままで、エースを強化したチーム」

です。

イブクイック頭痛薬|敏腕マネージャーが加入

ここで新しい仲間が加わります。

それが酸化マグネシウム

イブプロフェンは150mgなので、エースの実力はイブA錠と同じですが、

敏腕マネージャーが加入したことで、

  • 胃への負担に配慮し
  • エースが働きやすい環境も整えてくれる

そんなチームになりました。

だから商品名も「クイック」。

エースが実力を発揮しやすいように、裏方がしっかり準備してくれるチーム

と覚えると忘れません。

イブクイック頭痛薬DX|エース強化+敏腕マネージャー

DXは一番分かりやすい編成です。

イブクイック頭痛薬に、

さらにエースを強化しました。

つまり、

  • エース:200mgへパワーアップ
  • 敏腕マネージャー:そのまま在籍
  • 魔性の女:在籍
  • 応援団長:在籍

まさに、

「強化版クイック頭痛薬」

というチームです。

なるほど!
だからDXは「全部入り」みたいなイメージなんですね。
そうそう。
でもスリーショットは全部入りじゃなくて、チームを作り直した別コンセプトなんだ。

イブスリーショットプレミアム|チームそのものを作り直した

ここだけは考え方が変わります。

今までのように、

「エースを強くしました」

「マネージャーを追加しました」

という商品ではありません。

チームそのものを組み直しています。

編成は、

  • エース:イブプロフェン
  • 頼れる相棒:アセトアミノフェン
  • 敏腕マネージャー:酸化マグネシウム
  • 応援団長:無水カフェイン(少し控えめ)

そして、

魔性の女はチームを離れました。

つまり、

イブスリーショットプレミアムは、

「魔性の女に頼らず、エースと相棒の二枚看板で勝負するチーム」

という設計です。

だから、この商品だけは「EXの上位版」と考えるよりも、

別コンセプトで編成された新しいチーム

と理解した方が、商品の違いがスッと頭に入ります。

ここまでを一言でまとめると

  • イブA錠:基本チーム
  • イブA錠EX:エースを強化
  • イブクイック頭痛薬:敏腕マネージャー加入
  • イブクイック頭痛薬DX:エース強化+敏腕マネージャー加入
  • イブスリーショットプレミアム:チームをゼロから再編成した別コンセプト

このように考えると、商品名を丸暗記しなくても、「どのメンバーが増えたのか」「誰が抜けたのか」で自然と違いを説明できるようになります。

次は、この中でも登録販売者が特に知っておきたい存在、“魔性の女”ことアリルイソプロピルアセチル尿素について、もう少し詳しく見ていきましょう。

登録販売者なら知っておきたい「魔性の女」の正体

ここまで何度も登場した、

「魔性の女」ことアリルイソプロピルアセチル尿素。

少しふざけた例えに見えるかもしれませんが、この成分は登録販売者ならぜひ知っておきたい成分の一つです。

この成分は何をしているの?

イブプロフェンは、痛みや炎症を抑える「エース」でした。

一方、アリルイソプロピルアセチル尿素は、痛みそのものを直接抑えるというより、

「痛い」「つらい」と感じている脳を少し落ち着かせるサポート役

というイメージです。

だから、

「痛みが少し和らいだ気がする」

と感じる人もいます。

イブシリーズでは、

  • イブA錠
  • イブA錠EX
  • イブクイック頭痛薬
  • イブクイック頭痛薬DX

の4製品に配合されています。

一方で、

イブスリーショットプレミアムには配合されていません。

これがシリーズ最大の違いと言ってもいいでしょう。

なぜ「魔性の女」なのか

魅力がある。

頼りたくなる。

でも、付き合い方を間違えると振り回される。

だから私は新人登録販売者には、

「魔性の女」

と覚えてもらっています。

もちろん教育目的の例え話です。

実際には、この成分には眠気につながることがあります。

さらに、この成分が入った薬ばかり選ぶようになってしまう人もいます。

「この薬じゃないと効かない気がする。」

そんな相談を受けたら、

本当に鎮痛成分の違いなのか、

それとも、この鎮静成分による”落ち着く感覚”を求めているのか。

そんな視点も持てるようになると、登録販売者として一歩レベルアップできます。

イブシリーズだけではありません

実は、この成分はイブシリーズだけの話ではありません。

例えば、

ナロンエース(ブロムワレリル尿素)

セデス・ハイG(アリルイソプロピルアセチル尿素)

SG配合顆粒(医療用)(アリルイソプロピルアセチル尿素)

などにも魔性の女やその仲間が配合されています。

この2成分、ブロムワレリル尿素とアリルイソプロピルアセチル尿素、日本での違いは大きいですが、海外ではほぼ同列に扱われているということです。

「この薬が好きなんです。」

というお客様が、よく見ると同じ鎮静成分を含む製品を選んでいることもあります。

成分で見るクセを付けると、商品の共通点が見えてきます。

海外ではあまり見かけない成分

アリルイソプロピルアセチル尿素は、日本では現在も市販薬に配合されています。

一方で、海外ではこのような鎮静成分を含む市販薬の濫用が問題となった国もあり、現在では使用されていない地域も少なくありません。

そのため、日本の登録販売者としても、

「眠気につながることがある」

「必要以上に連用しないことが大切」

という点は知っておきたいところです。

海外ではあまり見かけない成分

アリルイソプロピルアセチル尿素(Apronal)は、日本では現在も一部のOTC医薬品に配合されています。

しかし海外では事情が異なります。

有害作用や依存の可能性などから、多くの国では販売が中止・禁止されており、現在ではほとんど使用されていません。オーストラリアの医薬品規制当局(TGA)も、「危険な副作用のため臨床使用が中止され、世界の多くの国で禁止されている」と注意喚起しています。

また、日本の研究グループによる2024年の論文でも、「アリルイソプロピルアセチル尿素やブロモワレリル尿素は、有害作用や依存の可能性から多くの国で販売が禁止されている一方、日本では現在もOTC医薬品として販売されている」と指摘されています。

だからこそ登録販売者としては、

  • 「眠気につながることがある成分」
  • 「必要以上の連用は避けるべき成分」
  • 「”この薬じゃないと効かない”という相談では、この成分の影響も考えてみる」

という視点を持っておくことが大切です。

だからスリーショットプレミアムは少し違う

ここで、もう一度チーム編成を思い出してください。

スリーショットプレミアムは、

魔性の女をチームから外し、

その代わりに、

頼れる相棒(アセトアミノフェン)

を迎え入れました。

つまり、

「鎮静成分でサポートする」という考え方ではなく、

解熱鎮痛成分を組み合わせてチームを作り直した商品

ということです。

この”設計思想の違い”が理解できると、

「なぜスリーショットプレミアムだけ成分構成が違うのか」

まで説明できるようになります。

登録販売者試験ではここまで問われません。

でも、店頭で商品の違いを説明するときには、この理解が大きな武器になります。

次は教育モードを終えて、一般の方にも伝わるよう、添付文書・メーカー公式情報をもとに各商品の特徴を整理していきます。

ここからは勉強タイム終了!
薬機法に準拠して、添付文書やメーカー公式情報をもとに整理していこう。
こ今までののは一体・・・。

ここからは薬機法にのっとって|メーカー公式情報をもとにイブシリーズを比較

 

ここまでは、登録販売者・薬剤師向けの勉強用として、成分の役割をイメージしやすく解説してきました。

ここからは一般の方向けに、添付文書やメーカー公式情報をもとに、それぞれの商品の特徴を整理します。

なお、市販薬は「一番強い薬」を選ぶものではありません。

症状や体質、年齢、持病、服用中の薬などによって、適した商品は変わります。

イブA錠|シリーズの基本となる商品

イブA錠は、イブシリーズの基本となる商品です。

イブプロフェンを主成分とし、頭痛・生理痛・歯痛など、さまざまな痛みに使用されます。

「まずはイブシリーズの基本を選びたい」という方が検討しやすい商品です。

イブA錠EX|イブプロフェンを200mg配合

イブA錠EXは、イブプロフェンを1回量200mg配合した商品です。

基本的な成分構成はイブA錠に近く、イブプロフェンの配合量が異なります。

イブクイック頭痛薬|酸化マグネシウムを配合

イブクイック頭痛薬は、イブプロフェンに加えて酸化マグネシウムを配合しています。

メーカーでは、製剤上の特徴の一つとして紹介されています。

イブクイック頭痛薬DX|イブプロフェン200mg+酸化マグネシウム

イブクイック頭痛薬DXは、

  • イブプロフェン200mg
  • 酸化マグネシウム配合

という特徴を持つ商品です。

シリーズの中でも、イブプロフェン配合量と製剤設計の両方に特徴があります。

イブスリーショットプレミアム|成分構成が異なるシリーズ

イブスリーショットプレミアムは、シリーズの中でも成分構成が大きく異なります。

イブプロフェンに加えてアセトアミノフェンを配合し、アリルイソプロピルアセチル尿素は配合していません。

そのため、他のイブシリーズとは異なる成分構成の商品として位置付けられます。

どれを選べばいい?

イブシリーズは、「どれが一番強い」という考え方で選ぶ商品ではありません。

例えば、

  • イブプロフェンの配合量
  • 酸化マグネシウムの有無
  • アセトアミノフェンを組み合わせているか
  • アリルイソプロピルアセチル尿素を配合しているか

など、商品ごとに設計が異なります。

商品名だけでは分かりにくい場合は、この記事前半で紹介した「チーム編成」を思い出していただくと、それぞれの違いが整理しやすくなるでしょう。

商品ページも見比べてみると違いが分かりやすい

登録販売者や薬剤師が商品を覚えるときは、成分だけでなく、実際のパッケージや規格も一緒に見比べると記憶に残りやすくなります。

Amazonなどの商品ページでは、パッケージデザインや内容量、販売単位などを一覧で確認できます。

なお、一般用医薬品はレビューが表示されない商品も多いため、口コミを確認する目的というより、商品情報を見比べる用途として活用するのがおすすめです。

まとめ

今までイブは高いほうが良いと思っていました(笑)
今日覚えてほしいのは、「商品名」じゃなくて「チーム編成」。
これが分かると、お客様への説明もグッと楽になるよ。

イブシリーズは、商品名だけを見ると違いが分かりにくいシリーズです。

しかし、成分に注目すると、

  • イブプロフェンを増量したタイプ
  • 酸化マグネシウムを配合したタイプ
  • 解熱鎮痛成分を組み合わせたタイプ

というように、それぞれの特徴が見えてきます。

登録販売者・薬剤師の方は、まず「成分の役割」を理解し、そのうえで添付文書やメーカー公式情報に沿って説明すると、お客様にも違いを伝えやすくなります。

結局何が違うの??というグデグデ説明から脱却しましょう!