薬局個別指導

調剤薬局 個別指導対策 ハイリスク加算の対応方法

調剤薬局個別指導

こんにちは。薬剤師&ケアマネ卵&ブロガーのタカキ@tantanタカキ.com
です。

今回は今更ですが、ハイリスク加算についてです。

ハイリスク薬

ハイリスク加算については、算定要件こそあるが、算定するか否かは薬剤師次第となっていると思います。

薬剤師が、指導が必要な患者であると判断し、指導した場合にハイリスク算定する流れとなっています。

もし仮に、ハイリスク薬はすべて算定している、事務さんにすべて任せている等ということがあれば、注意が必要です。

個別指導においては、ハイリスク薬加算を算定しているレセプトにチェックが入ることもありますので算定要件に注意しましょう。

個別指導におけるハイリスク薬加算算定における注意点をまとめました。

なお、こちらはいち薬剤師の見解であり、正式なものではありませんので
不明点などは薬剤師会に問い合わせる等していただき、確実性を担保して
いただきたいと思います。

また、あくまでも個別指導対策に特化した内容ですので、
もっと良い薬歴の書き方や、処方解析などにはあまり言及していません。

また、この記事が原因で発生したいかなる事象にも一切責任は負いかねるとともに、不備などを発見した場合は、お知らせいただけるとありがたいです。

 

算定要件を確認

ハイリスク薬 厚労省告示より引用

特定薬剤管理指導加算(保医発第0305第1号より)

ア 「注5」の特定薬剤管理指導加算は、薬剤服用歴管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等に②加えて、患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医薬品である旨を伝え、当該薬剤について③これまでの指導内容等も踏まえ適切な指導を行った場合に算定する。

なお、「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」(日本薬剤師会)等を参照し、特に安全管理が必要な医薬品に関して薬学的管理及び指導等を行う上で必要な情報については事前に情報を収集することが望ましいが、薬局では得ることが困難な診療上の情報の収集については必ずしも必要とはしない。

イ 特に安全管理が必要な医薬品とは、④抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤(内服薬に限る。)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬をいう。

なお、具体的な対象薬剤については、その一覧を厚生労働省のホームページに掲載している。

ウ 特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合には、その⑤全てについて必要な薬学的管理及び指導を行うこと。ただし、処方箋の受付1回につき1回に限り算定するものであること。

エ 対象となる医薬品に関して患者又はその家族等に対して確認した内容及び行った指導の要点について、薬剤服用歴の記録に記載すること。なお、⑥従来と同一の処方内容にもかかわらず当該加算を継続して算定する場合には、特に指導が必要な内容を重点的に行い、その内容を薬剤服用歴の記録に記載すること。

まずは、ハイリスク薬の算定要件を見てみましょう。

個別指導では、指導に先立って「ハイリスク薬加算の算定要件は分かっていますか?」と聞かれることがあります。

その際に冒頭の赤字の部分がスラスラ説明できる程度まで覚えておくといいです。
指導直前に読んでおきましょう。

薬剤服用歴管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等加えて、患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医薬品である旨を伝え、当該薬剤についてこれまでの指導内容等も踏まえ適切な指導を行った場合に算定する。

この部分です。

また、告示文のアンダーライン部分①~⑥に重点を置いた指導が入るので解説いたします。

ハイリスク薬の薬歴の書き方

通常のSOAP薬歴を記載せよ

①薬剤服用歴管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等

これは、通常の薬歴管理に相当します。

通常薬歴とハイリスク薬歴を明確に区分けせよ

②加えて、患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医薬品である旨を伝え

【加えて】となっているところに注目します。

ハイリスク薬歴は、通常のSOAP薬歴と明確に段落を分けておく
薬歴のどの部分がハイリスクの指導かわかるようにしておくとよい。
そのうえで特に安全管理が必要なことを示して指導した内容を薬歴に記録しておく。

個別指導時には、ここまでが通常の薬歴、ここからがハイリスクの薬歴ですと明示できればいいと思います。

通常のSOAPのPには、通常の薬歴レベルの指導内容を記載します

ハイリスク部分には、一歩踏み込んで記載します。

  • 処方内容:指導該当ハイリスク薬名
  • アドヒアランス:聞き取りや受診間隔から判断
  • 体調:聞き取りで判断
  • SE:聞き取り、血液検査結果(あれば)で判断
  • 効果:聞き取り、血液検査結果(あれば)で判断
  • 相互作用チェック:併用薬、サプリメントなどで問題がないかチェックし記載
  • 生活上の注意:ハイリスク薬服用にあたって生活に注意すべき内容を指導し記載。

生活上の注意においては、例えばワーファリンを例に記入すると次のようになります。

SOAPのSにて、「今度歯科治療を受ける予定」などを聞き出します。
ハイリスク薬指導として、抜歯する場合など、双方のDrと服用継続可否について相談するよう指導等記載

SOAPのSにて、「納豆は注意している。野菜は最近ブロッコリーをよく食べる」などを聞き出します。
ハイリスク服薬指導として、ブロッコリーも納豆同様ワーファリンの作用に影響するので、注意するよう指導等記載

その他、普段危険を伴うスポーツをやる人などは、出血時の対応方法を適宜説明してもいいと思います。

ハイリスク薬が複数ある場合は、アドヒアランス、体調などは重なると思いますが、重複して書いておいたほうが安心です。

「これまでの指導内容も踏まえ」の解釈に注意せよ

③これまでの指導内容等も踏まえ適切な指導を行った場合に算定する。

ここにおいては注意点があります。

これまでの内容を踏まえなければならないので、新患で算定すると、「踏まえてないですよね」と言われたことがあります。

ただ、2018年度調剤薬局業務指針においては、Q123にて、初めて来局した場合も算定して差し支えないと記されています。
これを説明することにより返還を免れたので、知っておいたほうがいいかもしれません。

ハイリスク薬の処方目的に注意せよ

抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤(内服薬に限る。)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬をいう。

2018年度調剤薬局業務指針においては、Q124にて、

ハイリスク薬に該当する医薬品が処方されていても、特定薬剤管理指導加算の対象となる適応以外の処方では算定ができないとなっています。

ハイリスク薬だが、ハイリスク加算が算定できない例

デパスの肩こり、腰痛症に対する処方

肩こり、腰痛は④の項目に入っていないので算定できません。

β遮断薬の降圧目的での処方

④には、「高血圧症」が入っていないので算定できません。
不整脈で治療していることが分かれば算定できます。
その際は、薬歴、表書きに【不整脈】であることを記しておきましょう。

ステロイド(プレドニン・セレスタミン)の抗炎症目的での処方

④に抗炎症は入っていません。
プレドニンやセレスタミンなどのステロイドが免疫抑制剤でなく、抗炎症作用が目的で処方されている場合はハイリスク算定ができません。

プレドニンやセレスタミンが、耳鼻科などで頓服で出ている場合に注意が必要です。

ハイリスク薬が処方されていても、医師の処方意図までは分かりません。
セレスタミン頓服でハイリスクを算定してしまっていた際に個別指導で、「Drは免疫抑制でアレルギー症状を改善しようという意図で処方していると考えた」と言い切ってパスしたという武勇伝も聞いたことがあります。
最後まであきらめないようにしましょう。
ただ、普段は算定しないことをお勧めします。

サインバルタ(デュロキセチン)の糖尿病性神経障害・慢性疼痛

サインバルタ(デュロキセチン)がうつ病でなく、腰痛、変形性関節症、糖尿病性神経障害や線維筋痛症による疼痛改善目的で処方される場合は算定できません。

この人は時々鬱が・・・といってパスした武勇伝はまだ聞いたことがありません。

これ以外にも、ハイリスク薬一覧に収載されているにもかかわらず、ハイリスクとして使用されていない例はあると思います。
適用外処方ならなおさらだと思います。

指導の原点に立ち返れば、患者さんにとって有益な指導ができてこその加算です。
その視点に立って、算定するかどうかその都度判断することが必要です。

全てのハイリスク薬について個別で記載せよ

全てについて必要な薬学的管理及び指導を行うこと。

これについては面倒でも、ハイリスク薬算定した場合は、すべての該当薬品において個別に記載をしておきましょう

ハイリスク算定していないときでも、一部医薬品だけ必要に応じてハイリスク薬の薬歴と同様に毎回書いておくと心象がよくなります。

 

いわゆる「ベタどり」に注意せよ

⑥従来と同一の処方内容にもかかわらず当該加算を継続して算定する場合

この場合は、毎回同じ内容の繰り返しではなく、その時に置かれている患者さんの状況に応じて適切な説明がされている必要があります。

体調が刻々と変わり、毎回指導する必要がある場合などには、毎回ハイリスク算定するのもありです。

通常いわゆるベタどりは望ましくありません。

最後に

いかがでしたでしょうか。

たかだか10点のためにここまでやってられないよって気持ちになったかもしれません。

しかしながら、ハイリスクを全く算定していなければ、それはそれで「指導する意欲に乏しい」とみなされて、指導官のスイッチが入ってしまうこともあるようです。
患者様に有益な指導を行い、その正当な対価としてハイリスク加算を算定するよう心がけることがよいと思います。

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