学生時代。

家庭教師のアルバイトをしていました。

時給3,000円。

そして今、薬剤師求人を見ると、

「時給2,000円~」

……。

俺、大学生のときが時給のピークだったのか?😂

まあ、この話はここまで。

家庭教師と薬剤師をそのまま比べても意味はありません。

でも今回、厚生労働省の賃金データを見ていたら、もっと気になる数字が出てきました。

薬剤師って、経験を積んだら時給はちゃんと上がるのか?

です。

💊 まず、薬剤師の時給は2,540円

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」。

2025年の賃金構造基本統計調査をもとにした薬剤師のデータでは、

短時間労働者の1時間当たり賃金は、

2,540円。

となっています。

ここでいう「短時間労働者」は、いわゆるパート薬剤師と完全に同義ではありません。

統計上の就業形態による区分です。

なので、

「全国のパート求人の平均募集時給が2,540円」

という意味でもありません。

それでも、

実際に働いている短時間勤務の薬剤師の賃金を見る公的データ

としては、かなり参考になります。

📊 で、経験年数別に見るとどうなる?

e-Statには、さらに細かい表があります。

「短時間労働者の職種(小分類)、経験年数階級別1時間当たり所定内給与額」

という表です。

薬剤師だけ抜き出すと、2025年はこうなっています。

薬剤師経験年数1時間当たり所定内給与額
0年2,385円
1~4年2,573円
5~9年2,582円
10~14年2,500円
15年以上2,554円

……ん?

これ。

かなり面白くないですか。

😇 15年以上やって、0年との差は169円

経験0年。

2,385円。

経験15年以上。

2,554円。

差額、

169円。

約7.1%です。

もちろん、

「15年間働いて昇給が169円だった」

という意味ではありません。

ここ大事です。

これは同じ薬剤師を15年間追跡したデータではなく、

2025年時点で働いている薬剤師を経験年数別に分けた平均値です。

勤務先も違う。

地域も違う。

働く時間帯も違う。

役割も違う。

だから「15年働いても169円しか上がらない」と断定するのは間違い。

でも。

それを差し引いても、

経験15年以上のグループが、経験0年より圧倒的に高いわけではない。

これは事実です。

しかも、

1~4年 2,573円
5~9年 2,582円
10~14年 2,500円
15年以上 2,554円

きれいな右肩上がりですらありません。

🧓 24歳なら高い。じゃあ40歳、50歳では?

ここが個人的には一番引っかかります。

薬剤師免許を取ったばかり。

20代前半。

時給2,300円、2,500円。

これは強い。

同年代と比べても、かなり高い。

「薬剤師ってやっぱり時給いいよね」

となる。

でも。

10年。

20年。

30年。

と働いたあとも、

労働市場に出たときの値札が、

「薬剤師 時給2,500円前後」

だったらどうなのか。

もちろん、経験15年以上=40代、50代という統計ではありません。

経験年数と年齢は別物です。

ただ、仮に24歳から切れ目なく薬剤師として働けば、15年以上になる頃には40歳前後。

そこまで経験を積んでも、

時給という物差しでは新人との差がそれほど大きく見えない。

ここは、

若いうちは高時給。
でも経験の値段が乗りにくい。

という薬剤師の弱点なのかもしれません。

📈 その間、最低賃金はどんどん上がる

さらに気になる数字があります。

2026年度の地域別最低賃金。

厚生労働省が9月3日に取りまとめた答申では、

全国加重平均は、

1,177円。

2025年度は1,121円でした。

56円アップ。

なお、2026年9月5日時点で全国一斉に1,177円になったわけではありません。

各都道府県で手続きを経て、

2026年10月1日から12月2日にかけて順次発効予定

です。

ここは間違えやすいところなので注意。

💰 薬剤師2,540円 vs 最低賃金1,121円

同じ2025年で比べます。

薬剤師・短時間労働者

2,540円

最低賃金・全国加重平均

1,121円

差は、

1,419円。

倍率では約2.27倍。

もちろん薬剤師は、まだ十分に高時給です。

「最低賃金とほぼ同じ」

なんて話では全然ありません。

ただし。

2026年度の最低賃金は1,177円まで上がる。

一方、2026年の薬剤師時給データはまだありません。

仮に薬剤師側が2,540円のままだったとすれば、

最低賃金との差は、

1,363円。

倍率は約2.16倍。

これはあくまで仮定です。

でも今後見るべきなのは、

最低賃金が上がったかではなく、薬剤師の時給も同じ速度で上がるのか。

そこでしょう。

🏷️ 薬剤師は「経験」より「免許」に値段が付いている?

今回の経験年数別データを見て、私はこう感じました。

薬剤師の時給って、

経験に値段が付いているというより、薬剤師免許そのものに値段が付いている

のではないか。

新人でも薬剤師。

20年選手でも薬剤師。

店舗から見れば、

「この時間に薬剤師が1人必要」

という需要があります。

だから薬剤師は専門職なのに、

1時間いくら

で市場価値が見えやすい。

ドラッグストアなんてもっと露骨です。

レジ。

品出し。

登録販売者。

薬剤師。

同じ採用ページに並んで、

横には時給。

資格の値札が丸見えです。

⚠️ 「経験15年でも新人と同じ」は言いすぎ

ここは少し冷静に。

今回の数字から、

「経験しても意味がない」

とは言えません。

短時間労働者の時給は、

勤務エリア。

企業規模。

勤務時間帯。

人手不足の程度。

担当業務。

その他の条件。

いろいろなものに左右されます。

そして今回の統計は、同じ人の昇給カーブではありません。

正社員なら、

役職。

職能給。

賞与。

昇進。

など、時給だけでは見えない評価もあります。

だから、

「薬剤師は何年働いても給料が上がらない!」

ではない。

そんな単純な話ではありません。

🤔 それでも「経験15年以上2,554円」は考えさせられる

ただ。

経験0年2,385円。

経験15年以上2,554円。

この並びを見て、

何も感じないかというと、

私は結構感じます。

若いときの薬剤師時給は魅力的です。

免許を取った瞬間から、ある程度高い。

でも、

経験を積めば積むほど、時給がグングン上がっていく職業ではなさそうだ。

少なくとも2025年の横断データでは、そう見えます。

若いうちは、

「薬剤師だから時給2,500円」

で満足できる。

でも40代、50代になれば、

見る数字は変わる。

薬剤師だからいくら?

ではなく、

自分が積み上げた20年、30年はいくら?

です。

🔍 求人を見るとき「時給2,500円」で喜ぶ前に

これから薬剤師求人を見るなら、

単純に、

「時給2,500円だから高い」

で終わらせない方がいいのかもしれません。

その地域の最低賃金はいくらか。

経験者と新人で時給差があるのか。

管理業務をやれば上がるのか。

土日・夜間だから高いだけなのか。

勤務先を変えることで上がるのか。

何に対して金を払っている2,500円なのか。

そこを見る。

薬剤師免許だけに2,500円なのか。

自分の経験まで込みで2,500円なのか。

ここはかなり違います。

📝 まとめ|若いうちは強い。でも経験の値段は?

2025年の賃金構造基本統計調査。

短時間勤務の薬剤師の1時間当たり賃金は、

2,540円。

経験年数別では、

0年 2,385円
1~4年 2,573円
5~9年 2,582円
10~14年 2,500円
15年以上 2,554円

経験0年と15年以上との差は、

169円。

一方、2026年度の最低賃金答申は全国加重平均、

1,177円。

薬剤師は、まだ高時給職です。

そこは間違いない。

でも。

若いうちに高いことと、経験を積んだあとも高いことは別。

薬剤師という資格に値段が付いているのか。

それとも、

薬剤師として積み上げた経験にもちゃんと値段が付いているのか。

40歳。

50歳。

になったときには、

たぶん後者の方が気になります。

薬剤師は、ある程度年功序列の利く企業で長く働き続けることが良いのかもしれませんが、キャリアの答えはひとつではありません。

自分のことも見つめなおすことが重要だと思います。

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参考資料

厚生労働省
「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」

厚生労働省 職業情報提供サイト job tag
「薬剤師」

政府統計の総合窓口 e-Stat
「令和7年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種 第5表」