全国旅行支援が始まっています。
制度の内容はもうご存じとは思いますのでここでは割愛させていただきます。
今回は、色々と問題点が指摘されている全国旅行支援において、薬局の視点で書いてみました。
結論は、
- 旅行支援は税金の無駄遣い
- 旅行支援のためのコロナ検査はもっと税金の無駄
- コロナ検査は、ワクチン3回打っていない人へのペナルティ
さて、何が問題なのでしょうか?
全国旅行支援にて、旅行代金の割引などを受けるためには、
1:ワクチンを3回接種した証明が必要
2:ワクチンを接種していなければ、コロナウイルス検査を受け、陰性証明等をもらわなければならない
ワクチン接種の是非は今回の問題点ではありません。
ワクチンを接種していない人は、新型コロナウイルスの検査(PCR検査や、抗原検査)を受け、陰性証明をもらわなければ旅行支援は受けられません。
そのコロナ検査が無駄であり、なおかつ無料(税金)で行われているということが問題です。
コロナウイルス無料検査は税金の無駄という問題
検査費用は税金から出ています。
気になる検査費用、どのくらいか?
PCR検査だと、約7000円
抗原定性検査だと約3500円
です。
7000円のうちには、病院、薬局、PCR検査所が受け取る手数料が約2000円含まれています。
検査キットの原価との差額を考慮すると、
PCR検査は3000円
抗原検査は2500円くらいが、検査機関の利益になります。
この金額を、そのまま国民に還元してもらえないものだろうか・・・
コロナウイルス無料検査は時間の無駄という問題
コロナウイルスワクチンを接種していれば、重症化が防げます。
万一旅行で感染しても大事には至りません。
旅行者を感染から守ることが目的なら、旅行支援の対象はワクチン3回接種した人のみと限定すべきでしょう。
旅行支援は、ワクチン接種に関わらず支援対象ということは、コロナ検査は、旅行者の身を守るためのものではなさそうです。
ということは、コロナ検査は感染拡大を阻止するためのものなのでしょうか?
ワクチン接種済みでも無症状コロナ陽性というケースがあります。
これは、周りの旅行者を感染させるリスクがあります。
(繰り返しますが、ワクチンの是非は除外して考えます。)
ワクチンを接種していない人だけ、なぜ陰性であることを確かめる必要があるのでしょうか?
むしろワクチン接種していない方が、無症状陽性の確率は低いのではないかと思います。
ワクチン接種は、コロナウイルス感染症の重症化を抑える効果があるはずですから。
コロナ感染拡大を防止するためには、
旅行前のコロナ検査は、無症状陽性の確率が高いワクチン接種者こそ義務化するべきではないのだろうか?
当然の疑問が沸き起こります。
でも、実際は、ワクチンを接種していない人などが、コロナ検査の対象となります。
結局、旅行前のコロナ検査は、旅行者をコロナ感染から守る役にも立たず、感染拡大を防ぐ役にも立たないということが分かると思います。
とまあ、何の意味もない検査に、わざわざ出向いて時間を浪費する必要があるのです。
コロナ検査は、ワクチン3回未接種者へのペナルティなのでしょうか?
罰ゲームに税金が使われるなんて、ひどい話です。
コロナ検査はザルな件
ここまで旅行支援をけなしておきながら申し訳ないのですが・・・
全国旅行支援を利用して感じた、コロナ検査の違和感
筆者はコロナウイルスワクチンを3回接種していたので、接種証明書アプリでサクッと割引してもらいました。
しかし、一緒に行った友人のうち1人は、3回接種していませんでした。
そのため、どうするのかと思いましたら・・・
出ました!
陰性証明書!
↑ イメージです
友人:これ使えますか?
ホテル:(陰性証明を一目見て)大丈夫ですよ。
終了。
とくに証明書が本物かどうか確認している様子はありませんでした。
その後、友人に陰性証明書を手に入れるまでのいきさつを聞いてみました。
某チェーン薬局でコロナ検査をやっていたので受けてきたとのことです。
コロナ検査は、セルフで実施します。
当然、鼻に綿棒をいれる操作も自分でやります。
友人は、この綿棒でくしゃみをしてしまい迷惑をかける心配をしていました。
そこで、「マスクしたまま鼻に綿棒をいれて採取してもいいですか?」と聞いたそうです。
薬局のスタッフは、了承してくれました。
友人の話では、「マスクの中で鼻に綿棒入れたフリしてもばれないね」とのこと。
そして、陰性を確認したのち、結果通知書が渡されました。
この結果通知書、素人目に見ても、本物?!という感じのモノでした。
調べてみたら、インターネットで誰でも書式はダウンロードできるものでした。
しかも、各都道府県によって書式はExcel、ワード、PDFなどマチマチで、ホテルの人もなにが本物かどうか疑う暇もない状態です。
以下に書式が出ていますが、これはきっと、ホテル側が確認できるように出しているのでしょう(笑)
ちなみに、コロナ検査をやってる薬局薬剤師の話では、ホテルなどの旅行施設から陰性通知書が本物かどうかの問い合わせは皆無だそうです。
(ホテルから、旅行客の検査を受けさせてほしいという問い合わせはあるみたいですが)
ワクチン3回接種していないが、旅行支援は使いたい!
でも、コロナ検査は面倒!
そんな人
あとは、言わなくても分かるよな!
状態です。
さいごに
全国旅行支援で、ワクチン3回見接種者に求める陰性証明書はいかに意味がないかということがお分かりいただけると思います。
それに、私たちの税金が惜しげなく投入されています。
くれぐれも、証明書は無意味だからなくても割引しろとか、ホテルの人に言わないでくださいね。
それはクレーマーです。
全国旅行支援など、この手の施策はとかく利権が絡みやすいものです。
- 無料検査を引き受けることで、国から協力金がもらえる薬局
- 無料で検査してもらえるなんて有り難いと喜ぶ国民
今後の増税も、ぜひとも喜んで受け入れていただきたいものです。
ワクチン未接種者のコロナウイルス陰性検査をしたところで、感染拡大を防ぐことや旅行者の安全を守る効果は疑問です。
ワクチン接種していても、微熱や倦怠感を隠して旅行するひとは旅行します。
そして、
コロナウイルス検査の陰性証明書、陰性通知書などは各地方自治体によって書式が異なります。
それらは、エクセルやワードで作られているものがほとんどです。
旅行施設も、証明書の真偽まで確認しません。
これ以上は明言を避けますが、いってみればそんないい加減な制度なんです。
それに私たちの税金が使われています。
このような無駄遣いが、この先年金が減らされたり、消費税が上がったり・・・
代償を払うのは国民です。
いかに国民が舐められているか怒りに震えながら今回の記事は終わろうと思います。