薬局個別指導

調剤薬局 個別指導対策 適応外処方は疑義照会する?

こんにちは。薬剤師&ケアマネ卵&ブロガーのゆるやく
です。

今回は医薬品の適応外処方についてです。

はっきり言って面白くないテーマです。

僕も書いていてつならないです・・・。

でも、適応外処方は薬局の個別指導において重要な項目なのでまとめさせていただきます。

 

個別指導対策では、
結論:適応外処方は疑義照会する
が正解です。

しかし、全部疑義照会は現実的ではありません。

そのための対応方法もあわせて解説いたします。

個別指導対策といっても、いざ個別指導が決まってからだとできることも限られてしまいます。

事前の確認をオススメします。

念のため・・・

なお、こちらはいち薬剤師の見解であり、正式なものではありませんので
不明点などは薬剤師会に問い合わせる等していただき、確実性を担保して
いただきたいと思います。

また、あくまでも個別指導対策に特化した内容ですので、
もっと良い薬歴や、処方解析などにはあまり言及していません。
所々、疑義照会を回避するためにといったニュアンスがみられますが、
あくまでも無駄な疑義照会排除とう考えです。
必要な疑義照会まで省略を促しているわけではありませんので誤解の無いようお願いします。
また、この記事が原因で発生したいかなる事象にも一切責任は負いかねるとともに、不備などを発見した場合は、お知らせいただけるとありがたいです。

ではいきましょう!

はじめに

薬局の個別指導では、常日頃から

  • 添付文書をしっかりと確認しているか
  • 疑義照会は適切に行われているか
  • 必要事項は薬歴に記録されているか

と言ったことが確認されます。

薬歴の記入は、管理薬剤師だけの仕事ではないため、新人薬剤師さん、ベテラン薬剤師さんもあわせてチェックしてみてください。

 

余談ですが・・・調剤事務さんへ

添付文書と用法が違う場合は疑義照会を行うことがあります。

レセコンで処方入力をした後疑義照会をすると、疑義照会で処方内容が変更された場合は入力を訂正しなくてはなりません。

薬袋や薬情、手帳シールも出しなおして、超環境破壊です。

そのため、レセコン入力時に用法違いが発見できれば、疑義照会をしてその時点で訂正し入力へとスムーズに進みます。

そのため、優秀な調剤事務さんを目指すなら注意が必要な適応外処方は調剤事務さんも必見です!

ぜひご覧ください。

もちろん!
薬剤師としても、先確認時に発見して疑義照会できるように
知っておくことは言うまでもありません。

用法・容量・適応症が添付文書と違うもの

添付文書の用法と、処方が異なっていても、それは事情があることが多いです。
これらを

  1. 知らずに確認していない
  2. 知っていても確認していない
  3. 知っているが、確認が不要と判断できるエビデンスがあり確認していない

特に① ②は薬剤師として問題ありということで、
個別指導でねちねちと追及されます。

これらはきちんと疑義照会をして理由を薬歴に明記しておきましょう。
(薬歴+いつでもすぐ参照するため表書きにも明記

 

小児の薬

 

小児の薬は、
子供は夕食後すぐ寝てしまうことから、飲み忘れ防止の観点で

正しくは就寝前だが→夕食後(処方箋)

となっていることがほとんどです。

1日3回→1日2回の場合は、昼間は保育園に行っていて服薬できない
などの理由があります。

そういったバックグラウンドも分かっていることを前面に出しながら疑義照会して記録に残しましょう。

 

シングレア細粒、キプレス細粒の夕食後投与
正しくは、1日1回就寝前

ジルテックDSの夕食後投与
正しくは、
小児:朝食後及び就寝前
成人:1日1回就寝前

ザジテンDSの朝夕食後投与
正しくは、朝食後及び就寝前

ホクナリンDSの分3投与
正しくは、1日2回投与
(これだけ変則的です・・・)

 

おもに血圧の薬 配合剤もあるから注意

 

血圧の薬などは、朝晩の血圧の安定を図るために意図的に1日1回→1日2回としていることがほとんどです。

疑義照会にて処方意図を確認して薬歴に残しましょう。

また、その後の投薬にて、朝晩の血圧が適応外処方によって
安定してコントロールされてることを確認して、
1日2回投与で問題ないことをアセスメント(A)して、
薬歴+表書きに残しましょう。

 

ベニジピン錠
1日1回朝食後(高血圧の用法)
分2朝夕食後(狭心症の用法)
薬歴の疾病と矛盾が無いかチェックしておきましょう!

アムロジピン錠の分2投与
正しくは、1日1回投与

ニフェジピンCR20mg錠の分2投与
正しくは、ニフェジピン20mgは1日1回投与
ただし、1日40mgで効果不十分の場合は
1回40mg 1日2回まで増量可(高血圧)

ニフェジピン40mg 分2で先走って疑義照会して
撃沈しないように注意してください(笑)

ニフェジピンは、狭心症でも用法が異なるため、薬歴との矛盾が無いかチェックが必要です。

狭心症の場合は、40mg分1だが、60mg分1まで増量できる。

ミカルディス錠の分2投与
正しくは、1日1回投与
初回は20mgから開始する必要がある。

アムロジピン錠(朝)とカデュエット配合錠(夕)
カデュエット中のアムロジピンが重複するため、
アムロジピン分2投与とみなされる。

 

このほか、
ザクラス・アイミクス・レザルタス・ミカムロ・・・
配合剤は要注意です。

 

消化器系薬も注意点があります

ナウゼリンOD錠の食後投与
正しくは、1日3回食前投与

プリンペラン錠の食後投与
正しくは、2~3回に分割し食前投与

ネキシウム(PPI類)の分2投与
正しくは分1投与

 

その他の用法違い

リリカカプセル(OD)の分1投与
正しくは1日2回投与

漢方薬の食後投与
正しくは、1日2~3回で、食前もしくは食間

 

漢方の食後投与などは、飲み忘れ防止の観点からあえて食後となっていることがほとんどです。

食後になっている理由と、食後にしたことによるコンプライアンス改善状況、漢方の効果減弱などについて問題ないことをアセスメント(A)して、薬歴に残しましょう。

 

ブルフェン錠の頭痛時頓服
正しくは、ブルフェン錠には頭痛の適応が無い

ブルフェン錠の急性上気道炎にて分2投与
ブルフェン錠の急性上気道炎時用法は頓服に限られる

モーラステープL40の1日2回貼付
正しくは1日1回貼付

 

いちいち疑義照会してられないよ~

このような処方箋が毎回くる場合は、病院と薬局にて事前に取り決めをしていることも多いと思います。その場合も、薬歴に、

【適応外処方についてDr事前確認済み】等のように、
記録を残しておきましょう。

 

適応外処方に関して、医師に確認したことを薬歴、表書き、調剤録に残しておきましょう。

個別指導では、その事実について一々確認はしませんが、日付の間違いなどは無いように気を付けましょう!

 

処方箋入力に注意が必要なモノ

ここからは、適応外処方ではないのですが、
レセコン入力をミスりゃすいモノにつてまとめてあります。

新人事務さん必見ですよ~

これらも、通常は返戻されるのですが、個別指導の時は敢えて返戻せず、個別指導時にねちねち指摘してから査定されます。

それが嫌なら普段から間違わないよう注意。

また、個別指導対象者となった処方箋にこれらの処方が無いか入念にチェックが必要なのでまとめました。

フロリードゲルの外用剤での入力

正しくは、フロリードゲルは内服薬で入力します。

添付文書に
【口腔内にまんべんなく塗布すること】となっていますよ~

それでも、これは内服薬です。
処方箋が【1日4回、口腔内へ塗布】となっていても
内服薬で入力しましょう

ちなみに、フロリードDクリームは外用剤です。

 

ボルタレンサポの頓服入力

なれていない人がやりがちな入力ミスです。

処方箋には、ボルタレンサポ、【1回1個、疼痛時】となっていたりします。

坐剤は外用剤なので、頓服入力ではありません。

入力ミスに注意です。

ロキソニン錠60 3T分3毎食後 頭痛時

さあ、困った処方箋が来ました。

分3なの? 頓服なの?

ちなみに分3で、コメント【頭痛時】と正直にやると
頓服薬とみなされて査定の対象となります。
(頓服薬より内服薬の方が調剤料が高い)

 

疑義照会で確認し、コメントを【症状に応じて減量可】
にしてもらうか、もしくは頓服にしてもらって頓服で入力する必要があります。

 

これも、当然個別指導の時は、敢えて返戻せずキープしといて個別指導時にハラスメントの材料となる指摘されます。

最後に

いかがでしたでしょうか

添付文書と異なる使い方をしても問題が無いケースがほとんどと
考えるかもしれません。

しかしながら、個別指導ではあくまでも薬剤師がきちんと添付文書を把握したうえでチェックをして、どのように判断しているかが問われます

適応外処方→個別指導で即査定というわけではありません。

指導官に説明できるそれ相応の理由をしっかり答えられるようにしておくことが必要だと言えます。

地域によって差があるかもしれませんが、個別指導で査定、返還となった件数が〇件以上で
再指導になる等情報もあります。

再指導になると、また同じ苦労をするため、一度でビシッと終わらせることをオススメします。

  • おおむね良好
  • 経過観察
  • 再指導
  • 監査

一番良くておおむね良好という上から目線具合でもわかるように、とにかく勉強させてもらっているという姿勢を忘れずに臨みましょう。

 

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