薬局個別指導

個別指導でチェックされるお薬手帳忘れ【薬剤服用歴管理指導料】具体例

調剤薬局個別指導

手帳無しは高くなる!思考停止で薬剤服用歴管理指導料を算定していませんか?

 

個別指導でチェックされる対象は、レセプトの情報から選定されます。

そのため、必然的に何らかの【加算】が算定されている人が選ばれてきます。

それと同様、お薬手帳を忘れた場合の、【高い薬剤服用歴管理指導料】についても選定される確率が高くなります。

 

手帳を忘れたら高くなるだけの点数なんじゃないのか?

 

お薬手帳を患者さんに持ってもらいたいので、手帳を持参したら安くなるように政策誘導されたという経緯はありますが、それだけじゃありません。

 

今回は、【薬剤服用歴管理指導料の手帳忘れ】を算定している人が個別指導に当たっていた場合の注意点を解説します。

この人、なんで個別指導に当たったんだろう?というひとは、高い方の薬剤服用歴管理指導料を算定していないかも要チェックです。

 

結論は、

手帳を忘れた場合は、

  • 手帳の意義、役割及び利用方法等を説明
  • 帰ったらシールを貼ってもらうよう説明
  • 会計が高くなることを説明

この3点をやり、その記録を薬歴・表書きに記入して、高いほうの点数を算定

 

次回来局時、

  • 手帳を確認してシールが貼付されているか確認
  • シールが貼られていなければ再発行して貼付する

この2点を確認し、その記録を薬歴・表書きに残す。

 

ここまでやって完了です。
えっ?
え?っとなったっ人は、ぜひ続きもご確認ください。

 

薬剤服用歴管理指導料について復習

解説
まずは、薬剤服用歴管理指導料について復習です。
面倒な人は、グレーの部分は読み飛ばしOK

 

 

保険調剤Q&A 令和2年版より引用

薬剤服用歴管理指導料

薬剤服用歴管理指導料については、患者負担に係るインセンティブとして所定点数が低く設定されている再来機関の「原則6か月以内」という規定を「原則3か月以内」に短縮するとともに、所定点数の引き上げが行われました。また、保険薬局と保健医療機関の円滑な連携を推進するため、お薬手帳を活用した残薬状況に関する情報提供を行うことが新たな要件として追加されました。

 

診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示) 令和2年
厚生労働省告示第57号より引用
区分10 薬剤服用歴管理指導料

1 原則3月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合43点

2 1の患者以外の患者に対して行った場合57点

3 特別養護老人ホームに入所している患者に訪問して行った場合43点

4 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合43点

注1 1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、1の患者であって手帳を持参していないものに対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、2により算定する。

 

ここまでで、「手帳を忘れたら条件付きで高い点数を算定する」ということになります。

 

イ患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書又はこれに準ずるもの(以下この表において「薬剤情報提供文書」という。)により患者に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。ロ処方された薬剤について、直接患者又はその家族等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。

ハ手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。ニ患者ごとに作成された薬剤服用歴や、患者又はその家族等からの情報により、これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認を行うこと。

ホ薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。

 

イ~ホは、通常の薬情や薬歴についてです。
普通にやっていることなので特別な内容はないと思います。

 

続いてこちらを参照します。

手帳忘れの時に高い方の点数を算定する条件です。

長いですが、赤いところだけ読めばOKです。

保医発0 3 0 5 第1 号
区分10 薬剤服用歴管理指導料

(1) 薬剤服用歴管理指導料「1」及び「2」は、保険薬剤師が、患者に対して、当該患者の薬剤服用歴が経時的に管理できる手帳等により、薬剤服用歴及び服薬中の医薬品等について確認するとともに、次に掲げる指導等の全てを行った場合に算定する。ただし、手帳を持参していない患者又は「区分番号00」の調剤基本料1以外の調剤基本料を算定する保険薬局に処方箋を持参した患者に対して次に掲げる指導等の全てを行った場合は、「注1」のただし書の点数を算定する。

ア 患者ごとに作成した薬剤服用歴の記録に基づいて、処方された薬剤の重複投薬、相互作用、薬物アレルギー等を確認した上で、次に掲げる事項その他の事項を文書又はこれに準ずるもの(以下「薬剤情報提供文書」という。)により情報提供し、薬剤の服用に関し、基本的な説明を患者又はその家族等に行うこと。

(イ) 当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、形状(色、剤形等)

(ロ) 用法、用量、効能、効果

(ハ) 副作用及び相互作用

(ニ) 服用及び保管取扱い上の注意事項

(ホ) 保険薬局の名称、情報提供を行った保険薬剤師の氏名

(ヘ) 保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等

イ 患者又はその家族等と対話することにより、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化、残薬の状況等の情報を収集し、その要点を薬剤服用歴の記録に記載するとともに、これに基づき、投与される薬剤の適正使用のために必要な服薬指導を行うこと。薬剤服用歴の記録への記載は、指導後速やかに完了させるとともに、同一患者についての全ての記録が必要に応じ直ちに参照できるよう患者ごとに保存・管理すること。

ウ 手帳を用いる場合は、調剤を行った薬剤について、調剤日、当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、用法、用量その他必要に応じて服用に際して注意すべき事項等を患者の手帳に経時的に記載すること。

エ 残薬の状況については、患者ごとに作成した薬剤服用歴の記録に基づき、患者又はその家族等から確認し、残薬が確認された場合はその理由も把握すること。また、残薬が相当程度認められると判断される場合には、処方医に対して連絡、投与日数等の確認を行うよう努めること。

オ 薬剤情報提供文書により、調剤した薬剤に対する後発医薬品に関する情報について患者に提供すること。

(2) 薬剤服用歴管理指導料は、同一患者について第1回目の処方箋受付時から算定できる。

(3) 薬剤服用歴の記録には、次の事項等を記載し、最終記入日から起算して3年間保存する。

ア 患者の基礎情報(氏名、生年月日、性別、被保険者証の記号番号、住所、必要に応じて緊急連絡先)

イ 処方及び調剤内容(処方した保険医療機関名、処方医氏名、処方日、処方内容、調剤日、処方内容に関する照会の内容等)

ウ 患者の体質(アレルギー歴、副作用歴等を含む)、薬学的管理に必要な患者の生活像及び後発医薬品の使用に関する患者の意向

エ 疾患に関する情報(既往歴、合併症及び他科受診において加療中の疾患に関するものを含む。)

オ 併用薬(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び健康食品を含む。)等の状況及び服用薬と相互作用が認められる飲食物の摂取状況

カ 服薬状況(残薬の状況を含む。)

キ 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)及び患者又はその家族等からの相談事項の要点

ク 服薬指導の要点

 手帳活用の有無(手帳を活用しなかった場合はその理由と患者への指導の有無)

コ 今後の継続的な薬学的管理及び指導の留意点

サ 指導した保険薬剤師の氏名

(4) (3)のウからキまでの事項については、処方箋の受付後、薬を取りそろえる前に、保険薬剤師が患者等に確認すること。

(5) (1)のアの薬剤情報提供文書により行う薬剤に関する情報提供は、調剤を行った全ての薬剤の情報が一覧できるようなものとする。ただし、調剤した薬剤をやむを得ず複数の薬袋に入れ交付する場合は、薬袋ごとに一覧できる文書とすることができる。なお、薬剤情報提供文書については、処方内容が前回と同様の場合等においては、必ずしも指導の都度、患者に交付する必要はないが、患者の意向等を踏まえた上で交付の必要性を判断し、交付しない患者にあってはその理由を薬剤服用歴の記録に記載する。

(6) 薬剤情報提供文書における「これに準ずるもの」とは、視覚障害者に対する点字、ボイスレコーダー等への録音その他のものをいう。

(7) 効能、効果、副作用及び相互作用に関する記載は、患者等が理解しやすい表現によるものとする。また、提供する情報の内容については正確を期すこととし、文書において薬剤の効能・効果等について誤解を招く表現を用いることや、調剤した薬剤と無関係の事項を記載しないこと。

(8) 情報提供に当たって、抗悪性腫瘍剤や複数の異なる薬効を有する薬剤等であって特に配慮が必要と考えられるものについては、情報提供の前に処方箋発行医に確認する等慎重に対応すること。

(9) 服薬指導は、処方箋の受付の都度、患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化(特に重大な副作用が発現するおそれがある医薬品については、当該副作用に係る自覚症状の有無及び当該症状の状況)を確認し、新たに収集した患者の情報を踏まえた上で行うものであり、その都度過去の薬剤服用歴の記録を参照した上で、必要に応じて確認・指導内容を見直す。また、確認した内容及び行った指導の要点を、薬剤服用歴の記録に記載する。なお、副作用に係る自覚症状の有無の確認に当たっては、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(厚生労働省)等を参考とする。

(10) 服薬指導に当たっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考とすること。また、服薬指導を円滑に実施するため、抗菌薬の適正使用が重要であることの普及啓発に資する取組を行っていることが望ましい。

(11) 「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次のアからウまでに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。

ア 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録

イ 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録

ウ 患者の主な既往歴等疾患に関する記録

手帳の当該欄については、保険薬局において適切に記載されていることを確認するとともに、記載されていない場合には、患者に聴取の上記入するか、患者本人による記入を指導するなどして、手帳が有効に活用されるよう努める。

なお、手帳に初めて記載する保険薬局の場合には、保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を記載すること。

(12) 手帳については、患者に対して、手帳を活用することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供することとし、患者の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。なお、手帳を活用しているが、持参を忘れた患者に対しては、「注1」のただし書の点数を算定することになる旨説明するとともに、次回以降は手帳を持参するよう指導すること。

(13) (1)のウの手帳への記載による情報提供は、調剤を行った全ての薬剤について行うこととする。この場合において、「服用に際して注意すべき事項」とは、重大な副作用又は有害事象等を防止するために特に患者が服用時や日常生活上注意すべき事項、あるいは投薬された薬剤により発生すると考えられる症状(相互作用を含む。)等であり、投薬された薬剤や患者の病態に応じるものである。

(14) 手帳による情報提供に当たっては、患者に対して、保険医療機関を受診する際には医師又は歯科医師に手帳を提示するよう指導を行う。また、患者が、保険医療機関や他の保険薬局から交付されたものを含め、複数の手帳を所有していないか確認するとともに、所有している場合は患者の意向を確認した上で、同一の手帳で管理できると判断した場合は1冊にまとめる。なお、1冊にまとめなかった場合については、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。

(15) 患者が手帳を持参し忘れた場合は、手帳に追加すべき事項が記載されている文書(シール等)を交付し、患者が現に利用している手帳に貼付するよう患者に対して説明することで、既に患者が保有している手帳が有効に活用されるよう努めるとともに、当該患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該文書が貼付されていることを確認する。

 

いつものとこながら分かりにくいな・・・。
赤いところだけで分かると思います。

次の2つがポイントです。

手帳忘れでの薬剤服用歴管理指導料 算定要件

準備

(12) 手帳については、

  1. 患者に対して、手帳の意義、役割及び利用方法等について説明
  2. 手帳を作る場合は患者の理解を得る
  3. 患者の意向等を確認する
  4. 手帳を用いない場合は、その理由を薬剤服用歴の記録に記載
  5. 手帳を忘れた患者に対しては、高いほうの点数を算定することになることを説明
  6. 次回以降は手帳を持参するよう指導する

 

(15) 患者が手帳を忘れた場合

  1. シール等を交付し、帰ったら手帳に貼ってもらうよう説明する
  2. 忘れてきた手帳が今後有効に活用されるよう説明する
  3. 次回以降に手帳を持参した場合は、シールが貼付されていることを確認する。

ということです。

そして、これをちゃんとやって【高いほうの点数】を算定しているかチェックされます。

 

どうやってチェックするの?

 

患者さんの手帳を見せるわけにはいかないので、やった事実が薬歴・表書きに記載されているかでチェックします。

 

ここで、薬歴・表書きが重要ということだな

手帳を作らない人にも、手帳の意義などを説明して、それでも不要というなら、その経緯を薬歴・表書きに残して高い方の点数を算定するよ。

さいごに結論

チェックリスト

手帳を忘れた場合は、

  1. 手帳の意義、役割及び利用方法等を説明
  2. 帰ったらシールを貼ってもらうよう説明
  3. 会計が高くなることを説明

この3点をやり高いほうの点数を算定します。

 

そして記録を薬歴・表書きに記載します。

  • 薬歴はSOAPのPの部分に「手帳の意味や活用方法を指導」等と記載
  • いつ確認したか分かるように、日付付きで表書きに転記しておく

など、薬局でルールを決めよう。

 

そして次回来局時にもやることがあります。

  1. 手帳を確認してシールが貼付されているか確認
  2. シールが貼られていなければ再発行して貼付する
  3. この2点を確認し、その記録を薬歴・表書きに残す。

 

そして記録を薬歴・表書きに記載します。

  • 薬歴はSOAPのPの部分に「前回シール未貼付・再発行し貼付」等記載
  • いつ確認したか分かるように、日付付きで表書きに転記しておく

など、薬局でルールを決めよう。

 

ここまでやって完了です。

 

特に、次に来た時にシールが貼られているか確認することは忘れそうだな。
もしわすれたら、薬剤服用歴管理指導料が返還になる可能性があります。
口をおさえる
え?
注意

返還の回数が何件かあると、個別指導に落ちる可能性もあるので、忘れちゃだめですよ。

 

何にも説明しないで、【薬剤服用歴管理指導料を算定しない】という選択は、薬局としての業務を放棄しているとみなされてしまうので、推奨されないのは言うまでもないです。

 

参考文献

 

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これは、個別指導でも持参することがあります。

最新版を持っていないと、指導官のチェックが厳しくなるといううわさがありますので、常に最新版を用意しましょう。

 

これは、保険薬局業務指針よりも分かりやすく解説されています。

まだ持っていない人は、必読です。