調剤過誤

対人業務視点での、調剤薬局在庫管理 

調剤薬局の仕事

薬局の在庫管理というととかく、

  • 在庫金額
  • 在庫回転率使用期限切れ

など、経営の面の問題と考えられがちです。

もちろんそのような側面はありますが、実際は対人業務のレベルアップにも影響する重要な項目です。

 

薬局の在庫管理は薬剤師の仕事ではない
薬局の在庫管理は、対人業務とは関係のない分野

 

そんな風に思っている人や、そのような考えの人に管理を任せなければならない管理者さんの参考になればと思い今回記事にしました。

 

薬局の在庫管理の基本 高額品管理とロス管理

高額

薬局の管理薬剤師が、経営側から在庫管理を任される場合は、次の2つの指標が重要視されます。

 

  1. 在庫金額
  2. ロス額

 

在庫金額においては、高額薬品を重点的に管理する。

在庫金額の管理においては、当然のことながら高額品の管理が重要です。

薬価順に上位50~100品目くらいを重点管理とします。

ほとんどの医薬品は通常の配送で、発注から翌日には届くので、

1日分の最大出庫量

を確保すればいいことになります。

 

ロス額においては、デッドストックの管理が重要です。

レセコンでデッドストックが出力できるようであれば4か月以上不動在庫から対応します。

チェーン店であれば他店へ

それができなければ薬剤師会の不動在庫交流システムで対応します。

 

ここまでは、ほとんどの薬局で行っていることなので、そんなの当然だと思います。

添付文書を参考にした在庫管理

調査

面で受けている薬局では、採用薬以外の処方箋が突如舞い込んでくることも多いと思います。

その時は急配で対応するしかないのですが、普段取り扱いの無い医薬品については在庫管理の面からも添付文書をしっかりと確認する必要があります。

 

有名なケースではアリセプトがあります。

アリセプト:3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量 その後10mgに増量

もし、3mgの処方箋を受け付けた場合は、その後5mg→10mgとなる可能性があります。

 

5mgや、10mgを発注して次に備えるとともに、増量にならなければ速やかに返品させてもらいましょう。

 

10mgの処方箋を受け付けてから急配対応する。

 

  • 在庫がないことで患者さんに不便をかける
  • 急配で、問屋さんに迷惑をかける

 

このことを考えれば、返品ありきで手配しておくことが患者さんや問屋さんにも迷惑が掛かりません。

 

アリセプトのほかにも、ラミクタールやドプス、リリカなどたくさんあります。
他には何があるんだ?

 

その辺は、薬学的に詳しいサイトの方にお任せしようと思います(笑)

 

お薬手帳を参考にした在庫管理

手帳

先ほどのアリセプトにおいて、10mgを受け付けた場合は、その後の増量はないと考えるのが普通です。

でもちょっと待って!

例外として、【初めて10mgに増量した患者さん】を受け付けた場合は、副作用発生で5mgに戻る可能性があります。

このことは、お薬手帳から読み取ることができます。

今まで服用していた、5mgを手配しておきましょう。

もちろん、処方が無ければすぐに返品です

そのほか、受付時にお薬手帳で併用薬をチェックしますので、その際自局にない医薬品についても導入を検討しても良いと思います。

 

機会があれば、

うちでも在庫あるんで大丈夫ですよ!

と営業しちゃいましょう。

 

服薬指導でのやり取りを参考にした在庫管理

服薬指導 薬剤師

これは、特に高額薬品や、使用している人が少ない薬品について有効です。

たとえば、14日処方で出ていた患者さん。

体調も安定していて、処方も数か月変わっていない。

このような場合は、次に28日処方になる可能性が高いです。

 

体調が安定しているかは別として、大病院だと14日の次にすぐ56日処方なんてこともあります。

 

大病院の場合は、患者さんがめんどくさがりオーラ全開だと、すぐに処方が長くなったりします。(あくまでも主観ですが・・・。)

 

患者さんが近々入院する場合も、持参薬として処方日数が伸びることがあります。

 

その人しか使わない薬品で処方日数が急伸すると、在庫が足りなくなりますので、投薬時の情報は重要です。

 

薬学的な面からだと、次のような例があります。

 

  • 服薬指導時に、リリカは眠気があることを訴えていた患者さんが、次からタリージェになることもあります。
  • 若い女性でメルカゾールを服用している方の場合は、妊娠の可能性でプロパジールに変更になることもあります。

例を挙げれば、患者さんの数だけ可能性があります。

 

服薬指導での聞き取りは、在庫管理の面においても重要となりますので、処方変更の可能性を発見したら、在庫管理者にフィードバックしてもらう仕組みが必要です。

 

番外編【キワモノ】の在庫管理

病院薬剤師

これは地域にもよります。

変な粉・変な液体、変な軟膏です。

例えばこんなのがあるよ
  • 酸化亜鉛
  • サリチル酸
  • 5% 10%サリワセ軟膏
  • 親水軟膏・親水クリーム
  • l-メントール
  • サリチル酸メチル
  • セネガシロップ
  • キョウニン水
  • レベニンS配合散
・・・・・

これらの薬品は、限られた薬局でしか使用しないので、たまたま受けた処方されていた場合は、取り寄せとなることがほとんどです。

そして、使い切れない500g包装・・・

ほぼロス決定です。

 

  • 近隣でこのようなキワモノを使用している医院がある
  • 初めてきた患者さんのお薬手帳に、継続して使用歴がある

 

このような場合は、あらかじめ近隣薬局から少量ずつ分けてもらっておきましょう。

 

在庫金額はいくらでもないものなので、正直ロス覚悟で良いと思います。

 

不足したときに、患者さんを待たせる

その場で薬局スタッフが買いに行くと、人員が少なくなり待ち時間が増える

患者さんが、「じゃあいいです~~」と他に行ってしまう

 

このリスクと引き換えであれば、少々のロスは許容しましょう。

薬剤師的に重要な、添付文書 お薬手帳に基づいた在庫管理

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添付文書を参考にした在庫管理や、お薬手帳を参考にした在庫管理については、薬剤師が積極的にかかわる必要があることがおわかりいただけましたでしょうか。

 

特に、日数、処方変更の可能性を先回りした在庫管理においては

患者さんの話をよく聞く【対人業務】

体調や処方内容と照らし合わせて変更の可能性を探る【薬学的知識】

これが重要となります。

これこそ、対人業務であり、薬学管理です。

生半可なAI化では対応できない業務ではないでしょうか。

 

患者さんの話をよく聞き、先回りして在庫を手配しておく。

その様な姿勢が伝われば、薬剤師と患者さんの信頼関係の向上につなげることができると思います。

また、在庫が無ければ慌てることになったり、十分な服薬指導ができなかったりで、過誤につながる原因にもなります。

 

単に在庫削減し、経営的に良好に

という視点以外で、薬剤師ならではの在庫管理ができればよいと思います。